2023年01月31日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱バーンフュージョン
久保 尚平 社長
♪ババババーン――ベートーベンの『運命』で始まり「フュージョン」と続くCMが、山形県ではすっかりお馴染みの株式会社バーンフュージョン。大手人材派遣会社の酒田事業所長だった渡部浩由代表が、自分たちが挙げた収益を地元に納税できない点や、優秀な派遣スタッフを正社員に登用できないことに疑問を抱いた末に起業した、製造現場中心の人材派遣会社だ。12年目を迎えた現在、大手半導体メーカーの工場で働く派遣スタッフなど従業員は600名を超え、地元庄内地方の産業、雇用を支えるまでに成長した。
バーンフュージョンのCMはホームページでも視聴できる
通常の派遣業とともに同社が力を注ぐのが製造構内業務請負という形態で、久保尚平社長によると「メーカーの工場製造ラインのまるごとあるいは一部を受託し、当社の指揮命令のもとで当社スタッフが従事します。企業様にとっては人事労務などが不要となり、コスト削減や業務の効率化を図ることができます」。 メーカーに代わって製品製造を担当するのだから、スタッフにも相応な技能が要求されるはず。それに対応するのが同社の誇る「東北テクニカルセンター」だ。ここではメーカーOBらによる指導のもと実機を使っての研修がなされ、半導体製品製造技能士等の国家資格の取得も支援する。
東北テクニカルセンターでの研修風景
「今後はオートメーション化が進んでも必要とされる、装置保全技術を身に付けた人財をここで育成していきます」(久保社長) 昨年ついに、念願だった正社員登用制度をスタートさせた。まずは請負工場に勤務するスタッフから希望者を募った。いずれは派遣先で勤務するスタッフにも拡充したい意向だ。自身、元派遣スタッフだった久保社長は力説する。 「安定した雇用を提供することで、地元で夢や目標を叶えられる人を増やしていきたい。それが当社が起業時に掲げた地元繁栄にもつながっていきます」
大学卒業後、1年間のアメリカ留学を経て東京のアパレルメーカーに就職するも、いつしか「都会の生活に疲れ果てた」久保社長。再び留学をめざし、資金作りに祖父の出身地であった山形県へ、派遣スタッフとしてやってきた。ここで渡部代表と出会う。 起業時に誘われたが1年間の熟慮の末、「やっぱりこの人と働きたい」との思いが募り、都会に帰りたがっていた夫人を説得して渡部代表のもとへ。5年前、2代目の社長に指名された。
求める人材は? との問いには「すべての人が人財です。技術力をアップさせたい、人をまとめる仕事をやってみたい、プライベート優先で無理なく働きたいなど、希望に沿った仕事を企業様にもお願いして用意し、フォローしていきます。働きながら、自分の本当にやりたい仕事を見つけ出してください」。 酒田に住んで22年半。久保社長は「地元のために」が常に判断基準の、今や正真正銘の庄内人だ。
【会社データ】 本社=山形県酒田市千石町2-13-10 ☎=0234⁻21⁻0113 設立=2011年7月 事業内容=労働者派遣事業、有料職業紹介事業、業務受託事業 http://www.bahn.co.jp
㈱光英科学研究所
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