深田パーカライジング/深田 明生 社長

2021年07月20日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

難易度の高い金属表面加工で安定した実績
「できない」をみんなと「できる」にする技術集団

深田パーカライジング

深田 明生 社長

 鉄にとって最大の弱点といわれる「錆び」。パーカライジングとは、鉄鋼の表面に被膜を作ることによって錆びを防ぐリン酸塩処理を指す。塗装を施す全ての鋼板には、こうした表面加工が不可欠だ。
 めっきには大きく分けて「湿式」「乾式」があり、業界も異なる。深田パーカライジング株式会社は、この両方を手掛ける類稀な企業として強みを発揮し、技術革新・品質向上・コスト削減・納期短縮を重ね、今なお可能性を広げている。
「創業時から困っているお客様のご要望にお応えしていこうとする社風があり、他社ではできないような技術を蓄積してきました。今後も付加価値の高い分野を手掛けていく方針です」
 と話すのは昨年9月、39歳にして4代目に就任した深田明生社長だ。

 深田社長は慶應義塾大学で理論物理学を専攻後、修士課程を修了しキヤノンへ入社。約10年間にわたり複写機の開発に携わってきた経歴を持つ。創業者の孫にあたる深田社長は2016年、後継者不在に悩む同社に呼ばれる形で入社した。
「社員達が皆、自分の仕事にプライドを持ってやっていた。こういう会社をつぶしてはいけないと思った」
 と話す深田社長は入社後、組織力の強化を図るべく就業規則を見直し、積極的な新卒採用と設備投資に取り組んだ。入社当時はまるで掘っ立て小屋のようだったという本社屋を19年に一新。昨年からは隣接する新しい工場も稼働している。
 こうした投資をイベントと捉え、社員が主体的に構成を練りながらコミュニケーションを重ねることを深田社長は大切にしてきた。

大田区初・3年目の
ユースエール認定企業

 付加価値の高い少量多品種を手掛ける同社の業務は、ほぼ「人」が担っている分、構造的に利益率が高い。社員の残業も少なく、有給消化率も高いという良い循環が生まれている。
 こうした同社の働きやすい環境は、厚労省が進める「ユースエール認定企業(若者雇用促進法に基づく認定)」の方向性と合致。18年、同社は大田区初の企業として認定され、現在も3年目を更新中だ。
 この取組みが功を奏し、同社はこの数年で劇的な若返りを図った。今は優秀な新卒社員が育ちつつあり、ベテラン、中間層と若手が理想的に構成されている。

「一朝一夕のものではなく、その蓄積が技術の研鑽になる。皆でアイデアを出し合えば知識と経験が融合して、不可能が可能になっていく。一方で技術は属人化し蓄積するものがあり、技術の継承とはベテランと意欲ある若手が上手くコミュニケーションをとることに尽きる。今まで築き上げたこの精神をこれからも大切にしたい」(深田社長)
 3年後には創業90周年を控える同社。その先にある100年企業としてのビジョンを深田社長は慎重かつ大胆に描いている様子が窺える。

【会社データ】
本社=東京都大田区東糀谷1-6-16
☎=03-3743-0216
設立=1953年6月
資本金=1000万円
従業員数=64名
事業内容=溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっきを主力とした各種金属表面処理
http://www.fukadaparker.co.jp

 

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