2020年08月25日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
秀デザイン企画
大滝 秀人 社長
スーパーゼネコンの名による名立たるランドマークも、意匠設計者の思いを共有し、ゼネコンや関連事業者と予算・品質などを調整しながら、細部に亘る施工図をまとめる「生産設計」の工程を経て世に送り出されている。 建物が完成に至るプロセス全体を設計し、工期・コスト・品質管理を一括して行う根幹の役割を担う「生産設計」の分野に特化し、大手ゼネコン各社のパートナーとして信頼を獲得しているのが、2000年6月設立の株式会社秀デザイン企画だ。
同社を創業した大滝秀人社長は、専門学校を卒業後複数の建設関連の施工図会社に勤務。その間に「生産設計」の仕事の魅力を知り、寝食を忘れて打ち込む中、ある大手ゼネコンが元請けの「ポーラ美術館」の難工事を担当する。苦労の末これを完成に導いたことで高い評価を受け、ある恩人に独立を勧められて27歳で同社を創業することになる。 以来22年間、工期遅れのプロジェクトやコスト超過の案件の見直しなど、数々の難工事の依頼を引き受け、「生産設計」を通して建築上の様々な問題をクリア。意匠設計・構造設計・デベロッパー三者の思いを最大限に汲み取って統合し、関連工事業者、職人ともコミュニケーションを密にすることで、品質を保った上での工期の正常化とコスト削減に貢献してきた。 主な実績としては、ゴジラのモニュメントが目を引く「新宿東宝ビル」や武田薬品工業の「湘南ヘルスイノベーションパーク」などが挙げられるが、近年ではプロジェクトの初期段階から多様な関係者の仲介役として参加するフロントローディングを任されている。
また、設計ミスや工程・品質をモデル上で可視化する3D設計を導入することで大幅なコストダウンを実現した同社は、業務拡大に伴い、3D設計を担う新戦力の参加を歓迎している。 「仕事の醍醐味は、自らが考え、組み立てたプランが上手く運んだ時にこそ生まれます。その感動を伝え、自ら考え行動する社員を採用・育成していきたい」 と、大滝社長は意欲的だ。
生産設計で建築の工期短縮・コスト削減に貢献する同社は一方で、SDGsに繋がる建築を推進するために、多様なメリットがある横引シャッターの普及や特殊ポンプの老舗企業・丸山製作所との共同で、UFB(ウルトラファインバブル)の提案に取り組んでいる。 UFBとは、目に見えないほどの微細な泡で洗浄・除菌・浸透などの効果を発揮するもので、同社ではトイレの配管内洗浄にこの技術を導入、高評価を得ている。
社員の成果を見える化する「THANKSGIFT」を導入して、賞賛を促進し、組織力強化に取り組む同社は、有名建築の黒子として今後も大きく羽ばたいていくことだろう。
[会社データ] 本社=東京都世田谷区玉川田園調布2-1-14-301 ℡03-6459-7687 設立=1998年4月 資本金=1000万円 事業内容=建築設計・生産設計、UFB商材、遮熱断熱塗料の販売等 https://www.shudesign.jp
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