2016年08月23日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
小鍛冶組
小鍛冶 洋介 社長
大都市や市街地の景観を彩り、生活やビジネスを支える様々な構造物。その土台を築く上で欠かせないのが「基礎」と「躯体」だ。 株式会社小鍛冶組は、北海道・札幌市を中心に、50年以上にわたって街の発展を支えてきた基礎・躯体工事の専門工事会社である。
創業者の小鍛冶五郎氏により、荷役業を営む会社として発足した同社。戦後、経済が発展していく中で、コンクリートポンプ車やクレーン車など、小型建設機械を導入するとともに、大手ゼネコンや協力会社との信頼関係を構築してきた。
「現在、30社以上のゼネコンさんとお付き合いさせて頂いており、絶えず様々な工事を手掛けています。これも、先代から脈々と受け継がれている〝顧客あっての会社であり、常に感謝の気持ちを忘れない〞という心を、全社員が持ち続けているからだと思います」 こう語るのは、39歳という若さで同社の4代目を務める、小鍛冶洋介社長だ。
大学卒業後、3年間の建設機械メーカー勤務を経て、同社に入社した小鍛冶社長。現場を7年間経験した後、専務として経営に5年間携わる。そして今年2月に代表に就任した。 「専務時代から、小鍛冶組を『100年企業』にすべく、トップの役目を引き継ぐ覚悟は持っていました」 と、語る小鍛冶社長だが、その決意の裏には様々な困難があった。 その一つが2008年に起きたリーマン・ショックだ。業績が低迷した際、小鍛冶社長が先頭に立って、「経営改善新5カ年計画」を策定。近郊にあった自社ビルを売却し、本社機能を現在の東区に集約した。また、組織体制のスリム化による業務効率の向上と内部統制の強化を図ったのだ。
「専務であった私の意見を尊重してくれた先代の英断に感謝しています。この経験から、『社員を不安にさせるような経営を二度としない』という責任感を強く抱いたのです」(小鍛冶社長) そんな小鍛冶社長が最も注力しているのが、「人財育成」だ。月に1回、新入社員を対象に勉強会を開催。安全や技術に関する知識はもちろん、社会人としてのマナーや、会社の方向性など、内容は多岐にわたる。
また、日頃から社員と緊密なコミュニケーションを図り、社員との距離感を大事にしている小鍛冶社長は、今年から社員の声を基に野球部を立ち上げ、自身も参加。創業者が福利厚生の充実を目的に作った野球場で汗を流しながら、年齢や現場の異なる社員同士がいきいきと体を動かしている。 「リーマン・ショックで会社存続の危機に陥った時から、『絶対に会社を再生し、社員に笑顔を取り戻す』という一心でやってきました。この先、どんな困難がやってきても『想いを強く持ち続ければ、必ず叶う』と若手社員が希望を持てるような、〝北海道一のとび・土工会社〞にしていきたい」 と、小鍛冶社長は力強く語ってくれた。
【会社データ】 本社=北海道札幌市東区中沼町13番地 ☎=011―791―3031 設立=1966年8月 資本金=5550万円 事業内容=とび・土工工事業、土木工事業、建築工事業 http://www.kokaji.co.jp
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