2017年12月21日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
アース開発コンサルタント
飯川 松義 社長
「商売とは屏風のようなもの」―どちらとも広げ過ぎると倒れやすいという戒めの言葉である。このような慎重な経営判断のもと、地に足をつけた事業展開で設立40周年の節目を迎えたのが株式会社アース開発コンサルタントだ。
1978年、呉市に建設コンサルタントとして創業以来、社会資本整備の一翼を担ってきた同社。同町出身の飯川松義社長と他数名で創業した小さな会社は現在従業員90名近くを擁する組織にまで飛躍を遂げた。その間、受注関係も地元官公庁から国土交通省や防衛省にシフト。 「近年、異常気象を起因とする大規模な自然災害や震災が多発しています。安全で安心して暮らせる社会の実現は喫緊の課題です。社会資本の整備は、大規模開発・ハコモノ建設の従来型から『防災・減災』『構造物の長寿命化』『少子高齢化対策』など多岐にわたりますが、会社として全力で取り組んでいきたいと思います」と話す飯川社長。
これらに対応したコンサルティングを行うには、時流に即した最先端の技術を取り入れなければならない。当然優秀な人材の確保が必要不可欠になってくるが、同社には多士済々の資格保有者が在籍しているから心強い。 例えば1級土木施工管理技士は38名にのぼる。同様に測量士19名、RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)延べ15名、技術士延べ8名など、数え上げれば枚挙に暇がない陣容だ。
「国関連の仕事をするということは公務員と同等の高い意識を持って仕事に当たらなければなりません。従業員への資格取得支援はもちろんのこと、外部から講師を招いて行う年2回の業務実施上の留意点やコンプライアンス教育も徹底しています」(飯川社長) 不断の努力と長年の実績、公正中立の態度により、施工管理業務・測量業務・設計業務・調査業務において、人手が足りなくなるほどの信頼を得るに至った同社。 余談になるが、同社は長年にわたり地域の各種催し物に率先して参加している。
2003年には呉市制100周年記念事業として、郷原地区実行委員会により「日本一の夢 郷原とんど祭」を実施。国道375号線にちなんで高さ37・5㍍のとんどが作られた。これはギネスブックにも認定された正真正銘の世界記録だ。
また昨年は、郷原町のシンボルである岩山(城山)の山頂近い壁面に縦16㍍横5㍍にわたって描かれている「火の用心」の塗り替えを町の有志とともに行った。地域住民の防災意識の高揚を願ったものである。 「わが故郷は〝風景よし〟〝史跡名所よし〟〝人情さらによし〟です。そんな郷原町にこれからも恩返ししていければ」と話す飯川社長。誠実さがにじみ出るその姿にこの先何十年にもわたる同社の安泰が見えたような気がした。
【会社データ】 本社=広島県呉市郷原町7140―1 ☎=0823―70―3555 設立=1978年8月 資本金=1600万円 従業員数=105名 売上高=8億1000万円 事業内容=測量、設計、地質調査、補償、施工管理 他 http://ekc-hiroshima.jp
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