2024年04月04日
週刊新潮「チャレンジカンパニー」掲載
㈱エコミナミ
佐藤 央(おう) 社長
太陽熱温水器の設置事業に始まり、遠赤外線温水式床暖房「ゆかだんパオ」や風の吹かない次世代エアコン「ラジアン」など、健康・環境・省エネ対応の住宅設備機器を世に送り出し、37年の社歴を刻んできた株式会社エコミナミ。そんな同社が昨年4月以来、地震を契機に起こる電気火災を防ぐ切り札として、感震ブレーカー「瞬断」の普及にチャレンジしている。
感震ブレーカー「瞬断」
1月1日の令和6年能登半島地震で年が明けた2024年。ますます国民の防災意識は高まっている。「瞬断」は、地震火災の6割を占める電気火災を防ぐために、同社がかねてから開発を進めてきたもの。震度5強以上の地震を検知すると瞬時にブレーカーを自動的に遮断し、地震直後の電気機器由来の発火や、電気復旧後の通電火災を防ぐ。アース付きのコンセントに差し込み、アース線を接続するだけで取り付け完了する簡易タイプで設置工事・メンテナンスも不要。何より低コストなのが有難い。
電気火災の中でも通電火災は、避難を終えたあと無人となった室内で出火するため人の目が届かず、住人の手では防ぎようがない。
阪神・淡路大震災の折の電気火災の殆どは、電気が復旧した際に転倒・破損したままの家電製品に通電することで起こる通電火災だったと言われている。同時多発的に起こる出火で消防隊の消火活動も間に合わず、今も映像として記憶に残る神戸市長田区の広範囲の大火災に繋がったものだ。 折角ライフラインの電気が復旧してもこれでは本末転倒。通電火災は「瞬断」の設置で防ぎたいものだ。
『ゆかだんパオ』施工の様子
自社の事業領域を「健康・環境・省エネに配慮した安全で快適な暮らしの創造と普及」と定める同社は、「省エネ」が社会的テーマとなった時代には太陽熱温水器やエコキュートの普及に尽力。「健康」に対する意識が高まると、空気質に悪影響を与えることなく、ウイルスや花粉などを撒き散らさない「ゆかだんパオ」や「ラジアン」等の冷暖房機を開発してきた。
次世代エアコン『ラジアン』が施された寝室(左)、窓断熱と飛散防止を目的とした『まどりーど』(右)の施工写真
そして今、政府が災害に強い国づくりを目指して策定した「国土強靭化計画」の中でも、「2024年度までに住宅密集地域の50㌫に感震ブレーカーを普及させる」という具体的目標が設定最終年度を迎えている。
13年9月に義父の跡を継ぎ、同社代表に就任して11年目の佐藤央社長は語る。 「これまで開発してきた多数の人気商品の深耕を図ると共に、変化を恐れずアフターコロナや脱炭素社会、災害に強い家づくりなど、新しい社会環境が求めるニーズに即応した商品開発に果敢にチャレンジして行きたい。中でも感震ブレーカー『瞬断』の普及は急ぐべき事案です。通電火災の原因を元から断つ、感震ブレーカーの重要性の啓蒙活動と『瞬断』の普及促進で、世帯普及率50㌫の達成に微力でも貢献したい」
【会社データ】 本社=東京都稲城市東長沼349-1 ℡042-378-5222 設立=1987年6月1日 資本金=1000万円 事業内容=健康・環境・省エネ・防災・安全に配慮した製品の開発・製造・販売 https://www.ecominami.jp
週刊新潮「チャレンジカンパニー」㈱エコミナミ/佐藤 央 社長
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