2024年06月14日
婦人公論 掲載
㈱光英科学研究所
村田 公英 会長
過日、NHKの人気番組で「『醍醐味』ってなんの味?」という出題があった。
御存知の方も多いと思うが、敢えてその番組での正解を記すと、あらゆる乳製品の中で「最上のモノの味」「上質で希少な物の味」との答えだった。 紀元前のインドで生まれた仏典「大般涅槃経」に「醍醐」に関する記述がある。曰く、「牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生酥を出し、生酥より熟酥を出し、熟酥より醍醐を出す。醍醐は最上なり」とある。古代インドの食生活で、牛乳を基に5段階の発酵を経て得られた保存食としての「醍醐」が重宝され、やがては貴族達までに普及して、貴重な食材や薬材として珍重された様子が伺える。
しかし、この5段階の発酵も生半可に出来るものではない。発酵容器として使い込んだ革袋や壷などの内側に、バランス良く棲み着いた複数種の菌が、共棲培養状態を形成して相互に働き、牛乳を栄養とした発酵が着実に進んで行くからこそ達成される自然の摂理が介在しているのだ。
この反応は正に、健康な人の腸内に共生する善玉菌群=腸内フローラの働きに似ている。いわば、本来腸内で生成される健康に有用な物質を、5段階の発酵を通じて体外で作り出し、「醍醐」として摂取することで、腸内フローラの働きを助けているのだ。
「醍醐」は最上のモノに位置する
2500年前の釈迦の時代に存在していた「醍醐」を現代に甦らせるべく、浄土真宗本願寺第22代法主・大谷光瑞師が大正時代に創立した大谷光瑞農芸化学研究所。そこでは、師の「生きた菌ではなく、その代謝物が大事である」との教えの下、営々と乳酸菌研究が行われていた。
その流れを汲み、1969年4月に創業した株式会社光英科学研究所(村田公英会長)が、長年の研究の末に生み出したのが「乳酸菌生産物質」。 「醍醐」の教えを礎に生まれた「乳酸菌生産物質」について、村田会長は語る。
「乳→酪→生酥→熟酥→醍醐に至る道筋の内、乳酸菌生産物質の場合、乳に当たるのは国産大豆、酪に当たるのが豆乳です。豆乳に共棲培養した16種35株の乳酸菌グループを植えて培養をスタート。これが生酥に当たります。発酵が活発になり、乳酸菌の増殖がピークに達したのが熟酥。それを更に長時間発酵させ続けて生み出されるものが、乳酸菌生産物質=醍醐なのです。この過程の内、熟酥から醍醐に至るには、生酥の段階に重要な要素があります。スターターとして植える乳酸菌群が、相互に作用して発酵する共棲培養状態にあることが肝要なのです」
本社・工場内の発酵タンク
この「乳酸菌生産物質」、2011年のメタボローム解析では、34のペプチドを含む352種類の健康に有用な発酵代謝物の特定に成功。22年10月には日本薬科大学協力の下に行ったヒト試験で、「乳酸菌生産物質」を体外から摂取する試験を実施。その研究結果は腸内細菌学会発行の「腸内細菌学雑誌」22年10月号に査読付き論文として掲載されている。正にこれは、古代インドで珍重された「醍醐」が、現代に甦った快挙と言える。
村田会長の「醍醐」に関する考察は、その著書「『乳酸菌生産物質』に賭けた人生①」(日本シニアリビング新聞社刊)の「純正醍醐論」の項で詳述されている。続編の「『乳酸菌生産物質』に賭けた人生②」と併せて通読すれば、「乳酸菌生産物質」の過去・現在・未来を知ることが出来る。
【会社データ】 本社=埼玉県和光市新倉5-1-25 ℡048-467-3345 創業=1969年4月 設立=1994年2月 資本金=1000万円 事業内容=乳酸菌生産物質の製造・販売、研究・開発等 https://www.koei-science.com
㈱光英科学研究所/村田 公英 会長
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