エービス/峯木 英治 社長

2021年11月30日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

必要な場所に必要な能力を提供する「環境プロ集団」
新体制スタートで人心一新。一層の飛躍を期す

エービス

峯木 英治 社長

 上・下水道の運転管理で68年の実績を持つ㈱ウォーターエージェンシーの人材育成・供給を担う戦略企業として1989年5月に設立され、32年の歴史を刻んできた株式会社エービスが今年5月、グループ外から招聘した人材を初めてトップに抜擢した。昨年8月、親会社の㈱ウォーターホールディングスの代表・榊原秀明社長の要請を請けてエービス・統括事業部長に着任し、今回代表に就任した峯木英治社長だ。

 峯木社長は、東京大学理学部卒業後、タイヤ大手・ブリヂストンに入社。38年間研究・開発職として勤務し、知的財産本部長を歴任。その後特許庁の外郭シンクタンクに奉職し、その後今回の要請を受け、ビジネス人生の総仕上げとして見事転身を果たした硬骨漢だ。

 峯木社長が就任後まず手掛けるのは、東京・愛知・栃木・富山(当時)の4拠点に在籍する330名の社員が目指すべきベクトルの集約だ。コロナ禍にあって対面での会議は困難だが、ZOOMを駆使して月1回の支店長会議・スタッフミーティングを開催。ガバナンスやコンプライアンス、納期遵守等の細部に亘る意思統一を図ると共に、会社として目指す方向性の共有を進める。すなわち、適正な利益を追求し、社員にとって「良い会社」を目指すというベクトルの共有だ。

 社名のエービスがアビリティサービス=能力提供を意味するように、環境関連プラントの運転・維持・管理技術者を必要な場所に必要な期間、タイムリーに提供することを主業務とする同社にとって、人材はまさに利益を生み出す宝物。同社では、その人材の主体的意欲をさらに引き出すために、努力が報われ、公平感のある人事制度・賃金体系への転換を取組み中だ。

「自己申告制度」を導入し
「改善提案」を計画中

「『拡販は七難隠す』という言葉があるが、会社を経営していく以上、まずは売上高の伸長を目指すのは会社としては当然のこと。現状の外販比率30数%を、グループ会社からの受注を維持・発展させながら、業務範囲の見直しや新規顧客の獲得で更に伸長させることで、最終的なグループの経営にも貢献したい。人材派遣が主業務である当社は、売上増進の為に何より高いスキル持った人材の獲得が急務です。今後は望ましい人材に選ばれる会社になるために、社員にとっての『良い会社』を目指し、改革を重ねていきたい」
 と、峯木社長はアフターコロナ時代の会社の舵取りについての方針を話す。

 改善の方法としては、社員のチャレンジ意欲を勇気付けるために、直属の上司に自己申告で勤務内容や待遇面の要望を具申できる制度を導入し、それを進化させることとしている。また、改善提案の仕組みを導入も検討中とのことで、社員から改善提案を募ることで参加意識を醸成し、良い提案には報奨金を支給するなど、トップダウンだけに依らない施策を目指す。経営体制が変わり、次々と新たな施策を打つ同社のこれからに注目していきたい。

【会社データ】
本社=東京都新宿区東五軒町3-25-1F
℡03-5206-6923
設立=1989年5月
資本金=3000万円
社員数=330名
事業内容=環境施設のO&M、施設運営管理、計装・電気設備点検、薬品販売等
http://www.abice.jp

 

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株式会社エービス

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