2017年09月15日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
武蔵通商・フェイバリットグループ
澤田 仁 社長
物流と一口に言っても、取り扱う〝モノ〟の種類や取扱形態は幅広い。 「我々は超が付く高価、重量、デリケートな〝モノ〟を扱う物流グループです。専門知識と長年培った技術、高スペックな設備で多様なニーズに対応し、多くのお客様に喜んでいただいています」 と語るのは、武蔵通商株式会社・株式会社フェイバリットの2社の代表取締役を務める澤田仁社長だ。
大手精密機器メーカーの梱包輸送業務から始まった武蔵通商㈱は、今や大型精密機械のみならず美術品や高級家具・楽器等も手掛け、48年の歴史を持つ。父君が創業した同社に、銀行員から転身した澤田社長が入社したのは2001年。「社員の技術はまさに〝匠〟。反面、職人気質で営業という発想もない中での試行錯誤でした」(澤田社長)
〝技術は見て盗むもの〟という意識がベテラン社員には根強く、新しい人材の定着に課題があった。そこで、各部署ごとの毎期目標に必ず育成計画を盛り込んでもらうと共に、定期的なミーティング等も行うことで風通しの良い環境を整え、11年には代表に就任した。 そんな澤田社長が07年に創業したのが㈱フェイバリット。機器メーカーが入出庫管理や発送、修理に係る物流を自社で行う苦労を耳にした事がきっかけだ。
さらに薬事に特化した専門性の高い物流業務へ展開。医療機器や化粧品、医薬部外品等を扱い、法令順守はもちろんのこと温湿度管理、ペストコントロール、静電防止等のハイスペックな設備を完備。また、大阪のグループ会社では洋菓子等の高度流通加工も行う。東京・大阪を軸に顧客のBCP対策としても利用してもらう戦略だ。安全性、正確性、衛生管理を含めた付加価値の高い高品質なサービスが好評で成長を続けている。
「武蔵通商の場合、目利き、コミュニケーション能力、荷扱いの作法・知識などが総合的に必要で、一人前になるには4・5年必要です。しかし、お客様から直に感謝・感動の声をいただくことも多い。そこに仕事の醍醐味があり、若い人も増えています。フェイバリットも定期的な勉強会や品質会議は必須です」(澤田社長)
中途採用では両社とも他業種からの人材を積極的に採用。営業・購買・生産管理・品質管理などの経験を持つ多彩な人材を活用している。 今後は、新しい販路の拡大やニーズの深堀りを進めるだけでなく、グループとしてのシナジーもさらに追求していく構えだ。
【会社データ】 ・武蔵通商株式会社 本社=東京都武蔵村山市伊奈平1―24―2 ☎=042―560―7211 設立=1969年2月 資本金=1000万円 事業内容=精密機械・美術品などの梱包・輸送据付等 http://musashit.co.jp ・株式会社フェイバリット 本社=東京都昭島市武蔵野2―21―1 ☎=042―843―8445 設立=2007年1月 資本金=1000万円 事業内容=医療機器・化粧品等メディカル物流他 http://fv-tmlc.com 従業員数=約450名(グループ総数)
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