220705 ㈱ロボット工業/唐木 純一郎 社長

2022年07月05日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

夢から生まれたフィルム用巻取機メーカー
正直に仕事する〝100%ものづくり〟企業

㈱ロボット工業

唐木 純一郎 社長

 ポリ袋、包装資材、間接資材等、様々な分野で活躍するプラスチックフィルムを成形・成膜する時に、シワやたるみを起こさず所定のサイズで正確に巻き取る自動巻取機。株式会社ロボット工業は、このフィルム製造ラインに欠かせない産業用機械の専業メーカーとして、創業から半世紀以上に及ぶ信頼と実績を積み重ねてきた。

「弊社の信念は『正直に仕事する』こと。海外に拠点をシフトしたメーカーも数多くありますが、私たちはあくまでも日本国内に集中し、お客様にしっかりと向き合い続けてきた『100%ものづくり』の会社です」
 と話すのは6年前に就任した唐木純一郎社長。「正直に仕事する」とは、顧客の要望を最大限聞き入れて実現するだけでなく、過度や困難な要望は内容を十分に吟味し、実現の難しさと必要性、対費用効果、使い勝手を十分に説明した上で試行錯誤に対する協力を理解してもらうことだという。

「私たちが機械を扱うのは試運転までですが、お客様は何十年も使う。軽い決断で請け負い、上手くいかなかった時に苦労するのはお客様です。毎日苦労しながら使う機械を〝また買おう〟とは思わない。お客様が喜ぶ機械だからリピートされ、長いお付き合いができるのです」(唐木社長)
 1970年、当時はまだ〝夢〟の産業だった「ロボット」の最先端に携わりたいという思いを込め、プラスチック産業に従事していた唐木社長の父君が創業した同社。その夢を追う途中で出会ったのが自動巻取機の大きな存在価値だった。

TWV型 巻取機

 その後、「世界に一つしかない機械」を合言葉にクライアント一社一社のニーズに応え続けてきた同社は設計から製造、販売までの一貫体制を構築。電気や制御も自社で設計し、組立配線後に社内で行う試運転調整や現地据付、アフターメンテナンスも手掛けている。
「ローラーの長さや最終製品のサイズなどお客様の細かい要望を正確に聞き取り、実際に使う場面を想像しながら最適な一台にカスタマイズします」(唐木社長)

人を大事にする社風継承
新卒採用強化で生き残る

世界に一つしかない機械を作る本社工場

 また、唐木社長は営業・技術・製造の3部門のチームプレイを重視するとともに、就任翌年から積極的に新卒採用を開始。創業時から根づく〝働く人を大事にする〟社風を継承しながら、次代を生き抜くための新しい風の取り入れを推進する。
「良いものを作り、製品が売れて社員が幸せになるというサイクルが継続する会社を目指しています。扱う機械も作り方も特殊な弊社の仕事で一番大切なのは経験。時間をかけて技術と経験を身につけてもらうだけでなく、出来るだけ若い社員が前に出る機会を増やしたいですね」(唐木社長)

「神奈川がんばる企業」「神奈川県優良工場表彰」「ビジネス・イノベーション・アワード優秀賞」も受賞している同社。唐木社長は自社同様に正直で粘り強い新たな仲間を求めている。

【会社データ】
本社=神奈川県愛甲郡愛川町中津6762
☎046―285―2591
設立=1970年7月
資本金=5600万円
従業員数=24名
売上高=6億5000万円
事業内容=合成樹脂加工機械の設計・製作、省力化装置
https://www.robot-k.co.jp

 

サンデー毎日「会社の流儀」/株式会社ロボット工業
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