2023年04月17日
AERA 「Business Report」掲載
㈱LiHaSu
横山 裕一 社長
埼京線・武蔵浦和駅から線路沿いに徒歩10分。満開の桜並木が続く遊歩道に面した瀟洒なビルの3Fに、設立10年目を迎えたファサードエンジニアリング企業・株式会社LiHaSuの事務所はひっそりと佇む。
ファサードとは建物の印象を決める外観のこと。同社はガラス建材を用いた点支持構法や、内部と外部の空間をカーテンのように仕切るスチールカーテンウォール工法を用いて、フレームレスの開放的な空間や繊細で軽快なファサードを、設計・製作・施工まで一貫して提供する、新進気鋭のユニーク企業だ。
JA神奈川県厚生連・相模原協同病院新築工事(スチールカーテンウォール工事を担当)
社名のLiHaSuとは、ライフをハードワークでサクセスに導くという意味。創業者の横山裕一社長は青山学院大学卒業後、建築用多機能ガラスや化粧品容器、自律走行ロボット等を手掛けるフィグラに入社。そこで、現日本大学・理工学部名誉教授の斎藤公男博士と出会う事で、ガラスファサードに魅せられた横山社長はその後、新日軽、綿半の関連会社勤務を経て40歳の時、主に新日軽当時の仲間と共に2014年4月、同社を設立。前職の綿半ソリューションズ、LIXILは現在同社の取引先に名を連ねるなど、周囲の理解を得た上での円満な船出だった。
東京メトロ・茅場町リニューアル工事(DPGガラスファサード工事を担当)
少数精鋭で小回りが利き、オーダーメードのファサードを設計・製作・施工まで一貫して完遂する同社は、建材メーカーなど協力会社にも恵まれて、当初からゼネコン・設計会社にとって重宝な存在となった。鉄骨階段・手摺など、金物工事においても、持ち前の幅広いネットワークで様々な金物の提供が可能で、同社がニッチ市場で存分に力を発揮できるユニーク企業たる所以だ。
施工実績には、東京メトロ・茅場町リニューアル工事や銀座線渋谷駅新設建築工事、JA神奈川県厚生連・相模原協同病院移転新築工事等、大手ゼネコン・設計会社が元請けの特殊工事が目白押しで、同社のエンジニアリング力の高さを示している。
銀座線・渋谷駅新設建築工事(ELVシャフト・ステンレス製建具を担当)
近年、ガラスファサードの施工法として、ガラスを支持する構造部材にケーブルを使い、極限まで目立たなく、ガラスが軽やかに浮かぶように表現できる「ケーブルグリッド構法」が脚光を浴びているが、これは、風の影響を最小限に抑えるために高度な技術を要する構法だ。
同社では、ファサードエンジニアリングを専門とする企業として近い将来、前述の斎藤博士の仲間達と共にこの構法にも挑む構えだ。 横山社長は会社設立10年目を迎えた節目の年に、気持ちを新たに将来への展望を次のように話す。 「もちろん地震や台風などの外力に対して充分な耐力・強度を持たせた上で、一目見ただけで訪れた人の印象と記憶に残る素敵なファサードを数多く手掛けていきたい。スタッフ一同、家族には独立時に少なからぬ心配を掛けましたが、『家族に自慢できる仕事を』を合言葉に、今後もハードワークを続ける覚悟です」
埼京線・武蔵浦和駅へ向かう遊歩道の桜並木
株式会社LiHaSu 本社=埼玉県さいたま市南区別所6-13-13 アイーダ・ビル3F ℡048-767-6303 事業内容=ガラスファサード・スチールカーテンウォール設計・施工等 http://www.lihasu.jp
株式会社LiHaSu
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