2023年04月25日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱スズキ技研
鈴木 伸夫 社長
深刻化する人手不足を解消し、製造ラインの自動化・省力化によって労働生産性や品質の向上に繋げるFA(ファクトリーオートメーション)。この日進月歩のFAシステムに欠かせない自動制御盤・機械装置の設計・製作を中心に、先端技術を担いながら半世紀近い業歴を重ねてきたのが株式会社スズキ技研だ。
オーダーメイドで産業用機械を提供
「仕事は『人』。社員が一生懸命、お客様の期待に応えようとする姿勢が評価され、多くの実績と信頼に繋がっているのだと思います」 と話す鈴木伸夫社長。小学生高学年の頃に〝電気いじり〟に没頭する姿を見た叔父から「そんなに好きなら電気屋になれば良い」と言われたことを中学生の時に思い出したことから、本格的にモノづくりで起業する夢へと歩み出した。
1982年に22歳で個人創業し、3年後に同社を設立した鈴木社長。堅実に黒字経営を続け、自動車部品や半導体関連など幅広い業種にオーダーメイドの産業用機械を提供する同社には20代から60代まで各世代の社員がバランス良く揃い、鈴木社長の「笑売」という理念が浸透している。 「笑いが絶えない仕事でお客様との関係を深め、一緒に産みの苦しみを味わいながら完成させることがモノづくりの醍醐味。社員たちも努力すれば喜ばれ、自分が幸せになれるという『笑売』の本質を理解しているのでしょう」(鈴木社長)
「笑売」の拠点となる本社オフィス
また、未経験者を積極的に採用する同社では、世界的自動車部品メーカーのOBも迎え入れ、技術だけでなく人間的成長も促す〝ゼロスタート〟の教育を行っている。叔父の一言をきっかけに、「人生とイコールだと思えるくらいに好き」なモノづくりで起業を果たした鈴木社長は若手社員に対し、「夢は実現させるもの」だと話しているという。
「私にとって社員は身内。大切な存在だからこそ、振り返った時に『良い人生』だと思える〝食える人間〟になって欲しいですね」 と話す鈴木社長は常に親身な目線と飾らない言葉で社員一人ひとりとコミュニケーションを図り、経験談を交えて勉強することの大切さを伝えている。
「若い社員にはできる限り流行りの仕事に携わらせてあげたい。時代の先端を行く技術の面白さを実感するためには『楽』だけではなく、『苦』も背負いながら新しいことに挑戦しなくてはなりません」(鈴木社長) <p style=”line-height: 1.6;”> 子息の入社もきっかけに、より一層「次の世代に会社を残すこと」を意識するようになったという鈴木社長は、入社3年目以上の社員を対象に、治療に必要な費用を手厚く保障するガン保険や「GLTD」(団体長期障害所得補償保険)に加入し、社員持ち株制度も導入。長く安心して働ける環境と経営参加意識が高まる体制を整え、モノづくりという「笑売」を共に楽しむ〝素直〟な若者の採用にも力を入れていく。
【会社データ】 本社=埼玉県東松山市松山2040―1 ☎0493―24―0487 設立=1985年10月 資本金=1000万円 従業員数=40名 売上高=15億2400万円 事業内容=FAシステム装置・産業用機械装置の製造 https://suzuki-giken.co.jp
㈱スズキ技研/鈴木 伸夫 社長
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