230425 ㈱明豊建設/山田浩之 社長

2023年04月25日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

琵琶湖の厄介者が高品質肥料に大変身
全国植樹祭では天皇・皇后がご使用

㈱明豊建設

山田浩之 社長

 滋賀県で昨年開催された全国植樹祭で、天皇皇后両陛下によるお手植え・お手播きに、この県ならではの肥料が使用され話題になった。

昔から滋賀県議会の重要議題といえば、琵琶湖の公害と呼ばれる水草の処理問題が挙げられる。有効な手立てが見つからぬまま手を焼いてきた。植樹祭で使用された肥料はなんと、この厄介者が生まれ変わったものだった。その名も「湖(こ)の恵(めぐみ)」。製造販売を手掛けるのは株式会社明豊建設だ。

「地域への恩返しのつもりで取り組んでいる事業です。水草に土壌菌(条件的嫌気性微生物)を加え丹念に熟成発酵し、有用微生物入り有機特殊肥料へと再生させます。製造過程では障がい者の方々が活躍しています。NHKはじめ多くのメディアにも取り上げていただき、『滋賀SDGs×ビジネス表彰』の優秀賞もいただきました」(山田浩之社長)

 観葉植物・ガーデニング・家庭菜園などで幅広く使用されている。山の土壌のような香りで、室内でも匂いが気にならない。売り上げの1割ほどは、毎年滋賀県に寄付することにしている。

「俺が明豊建設だ!」の心意気で作業に臨む

先人の功労忘れず
50億円企業めざす

 明豊建設は4つのグループ会社を従え、土木建設、アスファルト製造販売、生コンクリート製造販売を主力事業に、湖北地域に根を張る老舗企業だ。この春、創業85周年を迎えた。手掛けた工事は数知れず。長浜駅ペデストリアンデッキ(高架型歩道)工事も同社の仕事だ。山田社長は強調する。
「公共工事を中心に、工場・社屋・駐車場の小さな補修から造成工事まで、あらゆる規模の土木・舗装工事を誠心誠意手掛けてきました」

 時には採算を度外視しても。伯父で創業者の本庄治安氏は、納得できない施工は重機で掘り返させて一からやり直させたという。こうして築いた地域からの信頼は絶大で、民間工事は営業活動を一切せずとも依頼が後を絶たない。

 山田社長は専門学校でコンピューターを学びIT関連の企業に勤めたのち、23歳で地元長浜に帰ってきた。同社のICT導入やドローンの活用は、山田社長が推進したものだ。ある時は、社内の複雑な経理に対応する市販ソフトが見つからず、それならばと自らソフトを開発してしまった。

 昨年7月、本庄浩二会長からバトンを託され、満を持しての社長就任。呼応するかのように大学卒業後、大阪でゼネコンに勤務していた本庄賢至専務も、長浜に戻ってきてくれた。後継体制は盤石だ。

「明豊建設の今があるのは幾多の先人たちのおかげ。それを忘れてはなりません。85年の信用も失う時は一瞬です」
 この思いを今年の入社式でも訴えた。そして100周年への構想を示す。
「M&Aも含め事業拡大を図り、50億円企業として迎えたいですね」
 長浜は秀吉が夢を抱いて、初めて城を築いた地。山田社長も今、この長浜で夢への挑戦を開始した。

全国植樹祭で採用された「湖の恵」

【会社データ】
本社=滋賀県長浜市加納町394
☎=0749-62-6580
設立=1938年4月
事業内容=土木建設業、アスファルト・生コンクリート製造販売業、リサイクル業
https://meiho-co.co.jp

 

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