2023年06月06日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
コスモ精機㈱
木下 勝彦 社長
航空・宇宙・半導体分野の部品を中心とする精密機械加工メーカーとして、1947年の設立から75年以上の業歴を誇るコスモ精機株式会社。〝究極〟ともいえる高い品質と精度が必要な航空機用ジェットエンジン部品やロケット部品、宇宙ステーションで使用される機器などを手掛け、半導体市場にも参入した同社が、新たな期を迎えた6月から次の成長に向けたスローガンを打ち出した。
業務プロセス1/2で未来を拓く!
「5年先を見据えた成長計画を展開していくために各部門がスピード感を持って、従来の業務プロセスを半分にする。ポスターも作成し、社員一人ひとりの理解と全社での浸透・共有を促しているところです」 と話す木下勝彦社長は大阪大学を卒業し、「仲間たちと喜びを分かち合いながら大きなモノを作りたい」と、日本三大重工業の一角をなす㈱IHIに入社。主要工場のトップを歴任した後、航空宇宙分野を担うグループ会社の経営者としても手腕を振るってきた。
昨年7月から同社の4代目のリーダーとして指揮を執る木下社長が、経営者として貫き続けるマネージメントの信念は「積極」「迅速」「全員参加」だ。IHI在籍時には500名以上が所属する工場で全員の名前を覚え、グループ会社でも家族を招く職場見学会や資料館を巡るバスツアー、夏祭りなどを自ら率先して発案・行動。帰属意識が高い組織を作り上げてきた。
新たなスローガンを記したポスター
そして今、木下社長が最も力を入れているのが人材教育。IHIグループはもちろん、大手航空会社の見学など他社の協力も得て安全飛行を支える製品の品質の重要性を教えるほか、今年からは全従業員を対象に毎月テーマを変え、コンプライアンスやセキュリティー、働くことの意義などをテーマとする勉強会もスタートした。
「モノづくりは人づくり。自分が関わった部品がどんな所に使われているのかを知るだけでも、品質や精度の大切さを理解できる。焦らず、成果を実感できる教育から少しずつ取り組んでいきます」(木下社長) また、「明るく元気に、何事にも前向きで積極的な人材」を求め、技術者採用に尽力する木下社長。新たに設置した「目安箱」を通じて社員一人ひとりの声を拾い上げ、さらなるES(従業員満足度)向上を図る。
「高いESなくしてCS(顧客満足度)向上はない。全ての従業員が毎日楽しく、『働いてよかった』と思える会社を作ることが私の夢であり、そういう会社は業績も良いはずです。どんな些細な事でも気兼ねなく意見を聞かせてもらえたら嬉しいですね」(木下社長) 国を守り、宇宙にまで届く技術力――。計り知れない魅力を分かち合う仲間を増やし、同社はさらなる大空へ羽ばたいていく。
従業員と同じフロアで働く木下社長
【会社データ】 本社=東京都羽村市神明台4―5―12 ☎042―554―1453 設立=1947年7月 資本金=6235万円 従業員数=160名 売上高=24億9700万円 事業内容=航空・宇宙分野のエンジン部品を中心とした精密機械加工部品の製造 https://www.cosmoseiki.com
コスモ精機㈱/木下 勝彦 社長
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