サンテック/清水 睦視 社長

2021年11月02日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

通信インフラの先端を担い続けて半世紀超
比類なき金属部品の精密加工技術は宇宙へ

サンテック

清水 睦視 社長

 人工衛星やマイクロ波通信、防衛装備品などに使用される精密部品を製造し、50年以上の業歴を誇る株式会社サンテック。日本中が帰還のニュースに歓喜した無人小惑星探査機「はやぶさ2」のイオンエンジンプレートの製作にも携わり、極めて高精度な技術力を改めて証明した。

「はやぶさ2」のイオンエンジンプレート

「金属部品を使う様々な分野の中でも、当社が担う航空機や宇宙産業で使われる部品は絶対的な精度が保証されなければなりません」
 と話す清水睦視社長。5年前に4代目として就任以来、現場・現状・現物を重視する「三現主義」のモノづくりを牽引している。

 1965年にマイクロ波向けの導波管メーカーとして創業した同社は、デジタルテレビ放送や防災無線、衛星通信など日本の新たな通信インフラの開拓に貢献し、航空管制レーダーに用いる導波管の多くを手掛けるまでに成長。その一方で、創業間もない頃から大手電機メーカーと強固な信頼関係を築き、同メーカーが供給する航空宇宙・防衛分野の機化工品ではトップクラスのシェアを獲得するなど、金属部品加工の市場でも存在感を発揮して堅実に業績を伸ばしてきた。
「大手電機メーカーをはじめ、お客様から頂いた技術指導や設備は今も当社の財産。人との縁が繋がり、事業を拡大することができたと思います」(清水社長)

山形・新庄工場を開設
「生産技術」で課題解決

 また、40年以上前にマシニングセンターを導入するなど、匠の職人技に最新の設備を融合した少量多品種の生産体制を構築。昨年5月には山形県新庄市に工場を開設し、「ものづくりブランド企業」に登録された川崎市の本社・工場と両輪で航空宇宙・防衛産業など成長市場の先端技術を担う。
「世界的に進む『衛星コンステレーション』(多数個の人工衛星を協調動作させるシステム)構想など、宇宙開発や防衛装備に関連する分野は10年後、現在の2、3倍の規模に拡大しているでしょう。地方都市に拠点を設けることは、BCP(事業継続計画)の観点からも重要だと考えました」
 と語る清水社長にとっての喜びは「誰もやったことが無い事、出来ない事を実現する」こと。特許の取得など新技術の創造にチャレンジする傍ら、より高品質な製品を効率良く量産するための生産ラインの設計や工程管理を行う「生産技術」のプロフェッショナルとして、常にクライアントの課題解決と向き合ってきた。

 コミュニケーションを活性化させるために会議体を増やし、給与体系に等級制を導入するなど社内改革にも取り組む清水社長は今後、人材教育や営業力強化にも力を入れ、新たな「成長と分配」を目指す。将来の夢として、山形での農業ビジネスも構想しているという。

【会社データ】
本社=神奈川県川崎市中原区宮内2―28―2
☎=044―799―9221
新庄工場=山形県新庄市大字福田字福田山711―229
☎=0233―28―0825
設立=1968年10月
資本金=1200万円
従業員数=101名
売上高=11億円
事業内容=人工衛星、防衛装備、マイクロ波通信機器金属部品製造
http://www.e-santec.com

 

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