2022年03月29日
週刊朝日「Challenge 2022」掲載
㈱日本土地建物
神山 重子 社長
「コロナ禍も一服の気配があった昨年10月1日、内定者全員参加で2022年新卒第7期生の内定式を開催しました。『車が買いたい!』『100万円のスーツを買うために稼ぐ』など、ガンガン稼ぎたいという人が多くいて頼もしい限りです」 と、2015年から毎年続けている新卒採用の第7期生に期待を寄せるのは、03年8月設立の投資用不動産販売会社、株式会社日本土地建物(略称=JLB)の神山重子社長だ。
コロナ禍が直撃する日本経済にあって、不動産業界にも商業施設やオフィスビル等の運営に逆風が吹き、投資用不動産分野でも業績不振に陥る企業も少なくない。そのような中、設立以来18期連続で黒字経営を達成し、他に類を見ない安定成長を果たしてきた秘訣は、神山社長が掲げる信条にある。
「『お客様の幸せは私の幸せ』を第一の経営理念とし、身の丈に合った経営を続け、社員個々のプライベートも大切にしながら、無理せずコツコツ地道に成長を重ねていく」との経営姿勢だ。 加えて、今年5月から始まる記念すべき20期目に向けて、同社はこれまで培ってきた抜群の仕入れ力に磨きを掛け「100年先も価値ある不動産の提供」を新たなテーマに掲げている。
恒例のJLB経営計画発表会(六本木ヒルズクラブ)。成績優秀者には表彰も。
同社はこれまで、①買い取った中古物件にリノベーションを施し、投資用不動産として販売する「不動産再生事業」②自社で不動産を所有して安定的な収益確保を目指す「収益不動産保有事業」③購入や賃貸管理、売却など不動産に関する様々な業務をワンストップサービスで提供する「ソリューション事業」の3事業を総合的に展開してきた。
中でも同社の大きな特徴は、独自のネットワークを通じて優良物件を最適価格で購入する、仕入能力の高さにある。営業担当者が東京23区内の不動産仲介会社をくまなく回り、コロナ禍でも旺盛な投資意欲を持つ富裕層のニーズに適う掘り出し物件を開拓する。この日々の新規開拓活動は同社設立以来の伝統で、業者間でも評判を呼んでいる。
「私達の仕事は足で稼いだ情報が命です。物件の仕入れで大切なのは『大化け』する物件をいかに見極められるか。優良物件に仕立てられれば入居者はすぐに付きます。また、当社ではストック収入を確保する長期保有物件を増やしており、担保余力が大きくなったことで融資が受け易くなり、さらに優れた物件を購入できる好循環が生まれているのです」 と、神山社長は「100年先も価値ある不動産の提供」に込めた意味を話す。
エル・パークスクエア京都鴨川7Fの外観
神山社長は昨年11月の京都出張の際に、偶然出逢った区分所有マンションの資産価値を評価し、即決で購入。それが「エル・パークスクエア京都鴨川7F」だ。同社の目利き力を表すエピソードだが、その他にも「JLBグランエクリュ西新宿Ⅱ・神田・白金」など、同社の新規物件には都心の優良物件が目白押しだ。
右から「JLBグランエクリュ西新宿Ⅱ」「JLBグランエクリュ神田」「JLBグランエクリュ白金」
一方同社ではリノベーションにおいても、建物の外観に街の雰囲気を明るくし、住んでみたくなるようなデザインを施す改修や、内装の床材にツートンカラーを採用するなど、細部にわたる意匠に工夫を凝らす。また、顧客の大切な財産を預かるソリューション事業では、関連会社の㈱リセールバリューにおいて管理業務を行い、資産価値の向上に努めている。
同社では、昨年3月から毎月「第一水曜交流会」と銘打ったゴルフコンペを開催。リノベーションの協力業者や長年の顧客の参加を得て、活発に交流を深めている。 また、16年から始めた関東社会人サッカー連盟1部「東京23FC」のスポンサー事業や、昨年3月・7月に開催した女子プロを目指す若き女子ゴルファーのための「JLBガールズチャレンジカップ~夢は叶う~」の主催、昨年8月のイーグルポイントゴルフクラブ所属の吉田隼人プロとのスポンサー契約など、若きスポーツマンを支援する社会貢献活動にも積極的に取り組む。
さらに神山社長自身、社会人入学でチャレンジしていた慶應義塾大学経済学部での勉学を苦節12年でこの春卒業。子女の中学卒業とも時期が重なって、母子二人での嬉しい袴姿の記念写真の撮影となった。神山社長は今後も経営のプロを目指してMBA取得に挑戦するという。益々の発展が楽しみなJLBだ。
神山社長母子のツーショット
[会社データ] 本社=東京都千代田区内幸町1-1-1帝国ホテルタワー18F ℡03-5501-0877 設立=2003年8月1日 資本金=3000万円 売上高=36億円(2022年4月期) 事業内容=不動産再生事業、収益不動産保有事業、ソリューション事業等 https://www.j-tochi.co.jp
株式会社日本土地建物
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