2022年09月27日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
ICS㈱
片桐 智 社長
インターネットを介したデジタル通信によって、私たちの暮らしに快適を提供してくれるICT(情報通信技術)。いまや当たり前のように様々なモノ・コトが〝つながる〟社会を支え続けるICS株式会社は、持続可能な企業へと成長する新たなフェーズに歩みを進めた。
より高い信頼性と安全性が求められるICT分野で広範囲な業務に対応する同社は、綿密なヒアリングを通してニーズを掌握し、最適な要員をクライアントに派遣。本質的な課題解決を目指すコンサルティングや技術サポートで円滑な事業をサポートしている。 また、通信キャリアのパートナーとして移動体通信の基地局建設工事や設備保守も行うネットワーク建設事業では、通信キャリア出身のエンジニアが持つ質の高い技術力や臨機応変な対応力を活かし、関連する一連の業務をワンストップで行うことができるのだ。
「通信キャリアや通信機器ベンダーなど、かつてはお客様側にいた主要メンバーや、技術力に長けた人材が多数在籍していることが当社の強み。〝10年で9割が淘汰される〟と言われるベンチャー企業が生き残るためには、いかに他社との差別化を実現し、お客様から選ばれるかが重要です」 と話すのは大手通信キャリアから2019年に同社に入社し、翌年9月に37歳の若さで代表に就任した片桐智社長。経営において「利益を出す」という最終段階に辿り着くまでのプロセスを重視し、そのプロセスの中で最も大切と考えるのが「経営観」だという。
片桐社長曰く「経営観」とは、全体を大局的に捉え何の曇りも雑念もなくフェアに事柄の本質を見極める力。経営者も一人の人間であり、時には自分の中の拘りや雑念を持って事柄を捉えてしまうもの。そのような偏った視点あるいは事柄の一部分だけを見て、本質からかけ離れた判断をしていては、自己満足経営に過ぎないのだ。 また、片桐社長があらゆるビジネスにおいて最も重要だと考え、自社の強みにもなっていると断言するのが「マーケティング」。しかし、その意味するところは一般的な「営業の仕組みやツール」としてのマーケティングではなく、〝マーケットの状態を理解して行動する〟ことだという。
「ビジネスは世の中の誰かが必要としなければ絶対に成り立ちません。その反面、どの市場で誰が何を必要としているのかを確実に抑えていれば、競合他社が存在しても一定のビジネスは成立する。他社との差別化という観点においても、お客様のニーズを的確に理解して必要な人材、スキル、システムを提供していく必要があります」(片桐社長) 今年3月から経営陣を一新し、より安定した経営基盤を構築した同社。本質を突く「経営観」に率いられ、創業僅か5年で売上10億円を超えた成長力はさらに力強さを増していく。
本社が入居するビルのエントランス
【会社データ】 本社=東京都港区芝浦4―2―8 住友不動産三田ツインビル東館7F ☎03―5544―8974 設立=2015年9月 資本金=2000万円 従業員数=120名 売上高=13億9000万円 事業内容=人材派遣事業、建設事業 https://icsup.co.jp
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