2023年10月31日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
ティ・ディ・パワーシステムズ・リミテッド
森 裕樹 代表
日本のエネルギー事情の変遷に伴い、バイオマス・地熱・小水力・風力・コジェネレーションなど小規模発電所向け発電機の需要が高まっている。それら各種原動機向け発電機を取り揃え、低コストで官公庁・民間の電力プラント等に供給し、日本の電力需要に貢献しているのが、インド・バンガロールに本社を置くティ・ディ・パワーシステムズ・リミテッド(略称・TDPS)の日本事務所だ。 1999年4月、モータードライブ技術を核とする東洋電機製造が発電機部門から撤退するに際し、その発電機設計技術を引き継ぐ形で設立されたのが同社。その後、インド本社に最先端の製造施設を展開すると共に、日本の他ドイツ・米国に拠点を構え、独・シーメンス社等と技術提携を結ぶなど、これまで6000台以上の発電機とモーターを世界各国に供給してきたグローバル企業だ。 日本にも同様の発電機メーカーは多々あるが、TDPSの強みは円安基調の現在でも、レイバーコストの低さからくるコスト競争力にある。発注主の要望に応じ、出力・電圧・周波数・回転数を調整し、特殊試験にも対応する技術力は日本企業に肩を並べており、1000㎾~20万㎾クラスの同期発電機を必要とする小規模発電所にとって、同程度の性能での初期コストの低減は大きな魅力となる。
同社が提供する同期発電機の例
現在、日本事務所代表を務めるのは、前職時代にインド企業との取引を経験した縁で6年前に同社に入社した45歳の森裕樹代表。 「インド製というと品質を懸念されがちですが、実は近年のインドの技術力向上には目覚ましいものがあります。ここ数年、国内向けの実績も伸びてきましたが、まだまだこれから。ごみ焼却・バイオマス・地熱・水力の各発電機向け需要を深掘りし、日本の発電機メーカーとシェアを競う程に成長、今後も日本の電力事情改善に貢献して行きたいし、世界の需要も増やしていきたい」 と、森代表は旺盛な意欲を話している。
成長続くインド本社。日・印の友好の架橋に
インド本社はISO9001/14001・OHSAS18001の認定企業であり、2011年にはインド株式市場に上場。専任のR&Dチームは変化する市場の状況を常に把握し、進化する顧客ニーズに応えるために、各製造工程の自動化、テスト及び評価施設の充実、技術者のトレーニング等に戦略的投資を欠かさない。結果、その高品質・革新性・顧客満足度の高さは、世界的にも高く評価されている。
今後益々存在感を増すグローバルサウスの一角を占めるインドに本社を置き、世界に雄飛して成長著しいTDPS。その日本事務所を通じて関係を構築することで、日・印間の友好の一助ともなることだろう。 カスタムメイドが信条のTDPS。アフターフォローの充実も含めて「日本品質」の要求に応える体制は既に出来ている。
【会社データ】 日本事務所=東京都品川区北品川3-3-3 東和ビル4F ℡03-5783-5380 設立=1999年4月 資本金=5億7300万円 事業内容=インド製電力プラント向け発電機・発電制御盤の設計・製造・販売 https://www.tdps.co.jp
ティ・ディ・パワーシステムズ・リミテッド/森 裕樹 代表
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