2024年05月21日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
ホンダ製菓㈱
誉田 慎一郎 社長
国内屈指の観光都市として海外からも多くの旅行客が訪れる川越。歴史情緒を今に残す「小江戸」で70年の業歴を刻むホンダ製菓株式会社は、古来から日本人のソウルフードとして愛され続ける米菓の美味しさと可能性を追求しながらオンリーワンの商品を生み出してきた。
「創業時から『他社には無い商品を作り、美味しければ積極的に発売しよう』と開発力を磨き上げてきました。『揚げ』『焼き』といったカテゴリーはもちろん、『焼き』だけをとっても堅焼きからソフトなものまで、様々な食感を生み出すことができる。奇をてらうのではなく、多くの方に親しまれる美味しさを意識しています」 と話すのは、7年前に3代目に就任した誉田慎一郎社長。「メーカーの命は商品の品質」という信念の下、時間が許す限り製造現場に顔を出し、毎朝試食して味の安定を確かめている。
誉田社長の祖父が1954年に創業した同社は高度経済成長期の大量消費に対応すべく、他社に先駆けて量産型機械を導入。米菓メーカーとして初めてTVCMを放映した「鉄火焼」など様々なヒット商品を生み出して来た。
美味しさと品質で愛され続ける同社の商品
近年は香港や台湾など海外にも商品を輸出する同社は、昨年1年間で約20種類の商品を販売。試作品の数は実に300種類にのぼるというから驚きだ。
「欧米でも米菓が『健康に良い』というイメージで受け入れられるようになった今、海外の柱をもう一つ作りたい。これまで多くのお取引先様からの様々なご要望を商品化してきた。海外趣向の商品も手掛ける中で培ってきた商品開発の〝引き出し〟の多さとスピードが強みです」(誉田社長)
米菓生地の生産風景
また、様々な業態の小売店に並ぶ約80種類の商品のさらなる販路拡大とブランド力強化を図る誉田社長。祖父と父から受け継ぐスピード感のある経営を実践すべく、「行動のみが価値を生む」という理念を社内に浸透させ、人材の確保と育成、人事評価の見直し、部署間の連携強化などを通じて〝インナーマッスル〟を鍛えてきた。
「7割方『行ける』と踏んだら走り出す。あとは走りながら考えれば良いのです。そして、仲間の協力があって仕事が成立しているという感謝の気持ちで各部署が繋がれば、社内の情報共有とコミュニケーションがよりスムーズになります」
と話す誉田社長。これまで様々な地域性を生かした商品の開発に取り組んできたノウハウを自社の原点である埼玉・川越に還元することも構想している。
「弊社にしか出来ない価値を追求し、地元の方々に喜んで頂きたい。社員たちもお客様の笑顔がより近くで感じられる事でモチベーションも高まるでしょう。社員の成長がなければ会社は発展しないですからね」 と語る誉田社長は、社員が成長を実感できる会社づくりを進めていく。
【会社データ】 本社=埼玉県川越市府川1313―2 ☎049―224―2611 設立=1954年6月 資本金=3000万円 従業員数=160名 事業内容=米菓の製造販売 https://honda-seika.co.jp
ホンダ製菓㈱/誉田 慎一郎 社長/『注目企業オンライン』は各分野における優良企業を独自に取材し、トップインタビュー形式でご紹介しています。
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