2024年06月24日
AERA「Business Report」掲載
メトロ電気工業㈱
川合誠治 前社長、近藤元博 新社長
1913年5月、「メトロランプ」の製造・販売で創業し、やがてこたつ用赤外線電球の量産で一世を風靡、現在は「光源から熱源への転換」を図り「熱源のエンジニアリング企業」を志向しているメトロ電気工業株式会社。同社は、創業満111年の今年5月27日開催の株主総会で、勤続58年で勇退する川合誠治前社長に代わる新代表に、前常務の近藤元博氏を迎えることを決定した。
近藤新社長は、名古屋大学工学部化学工学科を卒業後トヨタ自動車に入社。33年半の勤務の後、4年前に同社顧問に着任、常務取締役を経て今回の社長就任に至った経歴の持ち主。一貫してモノづくりにおける環境問題解決に携わり、資源エネルギー分野で数多くの実績を積み重ねている。近年はカーボンニュートラル実現に向けた取り組みにも尽力をしており、企業のみならず国や自治体との連携も進めている。
環境問題解決のオーソリティーともいえる近藤社長は、同社自慢の熱源「オレンジヒート」の末広がりの可能性について次のように語る。
「当社が開発した赤外線カーボンランプヒーター『オレンジヒート』は、CO2排出削減の切り札の一つと言っても過言ではありません。点灯後瞬時に最高2000℃まで達し、消灯すればすぐ冷める。カーボンフィラメントの多様なスリット加工により、幅広い温度帯で温度制御も自在で、省電力、省資源に大きく貢献。産業界には加熱・溶着・乾燥など、熱を必要とする工程は多々ありますが、『オレンジヒート』はCO2を排出する燃焼や高コストのレーザー照射に代わる熱源として、非常に有効です。また、現場の状況により複数の熱源と『オレンジヒート』を組み合わせてハイブリッドで利用することも可能で、『オレンジヒート』の活用シーンは無限に広がっています。今後は、工場設備業界や専門商社等に働きかけ、更なる『オレンジヒート』の周知を図っていきたい」
CO2排出削減の切り札「オレンジヒート」四角内は「オレンジヒート」のロゴマーク
現在でも伝統のこたつ用ヒーターユニットは主力商品の一つだが、それら管球製造技術を継承して生まれた「オレンジヒート」は、管球という光輝くローテクの真骨頂とも言える。何故ならこの製品は、数々の表彰の栄誉にも浴しているからだ。 「オレンジヒート」は、加熱方法の革新と大幅な環境負荷低減効果が評価されて、16年の省エネ大賞・資源エネルギー庁長官賞や21年の気候変動アクション環境大臣表彰・大賞など、その表彰歴は枚挙に暇がない。
「第56回・市村賞贈呈式」にて(4月19日・於:帝国ホテル東京)
さらに今年4月には、「第56回市村地球環境産業賞・貢献賞」を受賞。他の受賞企業には大手企業が名を連ねる中、同社の「貢献賞」の受賞は、中小企業の快挙とも言えよう。
【会社データ】 メトロ電気工業株式会社 本社=愛知県安城市横山町寺田11-1 ℡=0566-75-8811 創業=1913年5月 資本金=6000万円 事業内容=暖房器・ヒーター管・加熱機械器具等製造・販売事業 https://www.metro-co.com
AURA ARCHITECTS/山本 謙一 所長
『注目企業ONLINE』は「サンデー毎日」をはじめ、様々な媒体で当社が独自に取材した注目企業の掲載記事をオンライン版として公開しています。