昌栄/田村 廣次 社長

2021年08月03日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

人と人のつながりを大切に実績を重ね創業20周年
何事も「できる」精神で信望を集める建設会社

昌栄

田村 廣次 社長

 群馬県渋川市に本社を置き、ガソリンスタンド建築工事や高速道路サービスエリアの修繕・補修工事をはじめ、様々な分野での建築工事を手掛ける株式会社昌栄。「庇兼用電動扉」「門扉」などの特許を有し、専門性の高い設備工事を担う同社はこの7月、創業から20年を迎えた。

「ここまでやって来れたのは、人と人とのつながりが全てで、あとはただがむしゃらにやってきました」
 と話す田村廣次社長は、29年間在籍した建設会社で専務取締役を務めた経歴の持ち主。独立したのは50歳の時だった。
 前職では「会社の法律」に縛られて、顧客の細やかな要望に応じきれない局面が多々あり「気持ちが通じ合わなかった」と振り返る。当時の思いが同社を動かす大きな原動力となっている。
「極端に言えば、給与を与えているのは私ではなくお客様だと考えています。お客様の要望をお聞きすれば、私の言うことは聞かなくてもいいと言っています」
 と田村社長は話す。こうした考え方から、同社では自ずと社員それぞれが自立した視点を持ち、常に顧客のためを考えて立ち回る社風が浸透しているようだ。

「私は『できない』とは思わない。誰もができないと思っていることなら、まず現場に出向いて少しでもできる『ベスト』を探っていけばいい。お客様は困って連絡しているわけですから、私たちはまずそこに応えていきたい」(田村社長)
 設備工事でも公共性の高い分野を担う同社。何か問題が起こった時の対応力は、顧客にとって絶大な信頼感があるだろう。同社はそのようにかけがえのない信頼関係を醸成しながら、民間工事のみで着々と業績を積み重ねてきた一面を持つ。

アナログの一番最古に必ずある
大切なこと

 4年前に田村社長が脳溢血で倒れ、3か月間入院したことは同社にとって大きな事件だった。しかし事業は堅調に回り、この3年間での売上は伸びているという。今も懸命にリハビリを続ける田村社長はこう話す。
「社員が自立していて、お客様に信用されているから仕事は増えている。お客様と同じように、社員や協力会社、またその家族たちも含めた全てが仲間であり、私は一番大事にしています」
 人材は運であり、出会いでもある。今は優秀な若手社員が次の世代を担うべく頼もしい存在感を発揮していると田村社長は話す。

 「ハイテク化、省力化が進む業界で、自分はアナログの最も古い最後のところに必ずある『人と人』の部分を担う役割でありたい」
 と話す田村社長。盆暮れには誰よりも先に、社員へお中元・お歳暮を贈っているという。聞いてみるとこれが結構高価な物だ。
「常識で言えば贈る必要は無いかもしれないですが、仲間として大切にしているなら、ご家族の方のためにもそれくらいのことはしたい。究極の理想を言うならば、社員みんなが生涯勤め続けられるような会社を作っていきたいですね」
 と田村社長は話す。

同社のロゴマーク。「昌栄」という社名は田村社長の岳父が命名した。

【会社データ】
本社=群馬県渋川市有馬194-2
☎=0279-22-1376
設立=2001年7月
資本金=3000万円
売上高=10億950万円
従業員数=24名
事業内容=総合建設業
http://www12.wind.ne.jp/syouei

 

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