2022年03月22日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
ナイスモバイル㈱
高 学軍 社長
新型コロナウィルスの蔓延は私たちの働き方、学び方を大きく変えてしまった。そこから生じたニーズに応え、急成長を遂げている会社を長野県の松本市に見つけた。ナイスモバイル株式会社である。
同社が販売するのはマイク、スピーカー、カメラ、タッチスクリーンが一体となったテレワーク、遠隔授業用ツール「MAXHUB Meeting Board(マックスハブ ミーティングボード)」だ。今、全国の企業や大学、行政機関等で採用され大活躍している。主な機能は ①電子黒板 ②プレゼンテーション ③WEB会議システムの3つ。 「基本操作は指で押すだけですから、誰でも簡単に使うことができます」(高学軍社長)
専用タッチペン(2色)でスクリーンに書き込めば、まるでチョークを手に黒板を使っているような感触だ。書いたあとは2本指で拡大縮小、移動、回転が自由自在。フリーハンドで描いた図形は自動識別機能で製図化できる。自動付与されるQRコードをスマホで撮影すれば、板書をPDFデータで保存できるのも魅力だ。
チョークや鉛筆のような書き心地を再現
従来のプレゼンテーションの形も変えてしまった。なんとスクリーンからもパソコン画面への操作・書き込みができるという。また付属のワイヤレスドングルをパソコンに差し込むだけなので、ケーブルの接続不良問題も解消。「Air Play」や専用のアプリを使えばスマホ、タブレットの画面を投影することも可能だ。
これらの機能や8㍍先の声も拾うマイク、さらに投票、タイマー、画面録画などの機能を駆使して遠隔地とのWEB会議を開催することになる。 ディスプレイは55㌅から86㌅まで5種あり、55㌅で約70万円(オープン価格)。購入後は年4回ほどのペースでバージョンアップケアを受けられる。
中国・瀋陽出身の高社長が大志を抱いて来日したのは1997年のことだ。言葉は全くわからなかった。日本語学校、電気通信大学を経てソニーのパソコン事業会社に入り長野県へ。そして2016年に起業した。
あれから6年、毎年前年比2~3倍のペースで売上を伸ばす急成長ぶりには、税理士や地元の銀行が驚いている。その原動力はMAXHUB Meeting Boardなのだが、販売を開始したのはコロナ上陸の1年以上も前のことだ。 全国の主要都市には拠点がそろった。事業拡大を見据え人材を募集していく。ITの知識は一切問わない。今活躍中のメンバーも栄養士、CA、ホテルマンなど前職は様々だ。
同社では7カ月分のボーナスとは別に半年に一度、10万円が支給される。これはスーツやカバンを新調するための手当だという。 「モチベーションを上げて、かっこよく仕事をしてもらいたいんです。それが得意先からの評価にもつながっていきます」(高社長) 伸びている会社は発想がユニークだ。
【会社データ】 本社=長野県松本市新村2272 ☎=0263—87—2298 社員数=40名 事業内容=タッチパネルの輸入販売、関連製品の導入プロデュース、開発・製造・販売 https://nicemobile.jp
ナイスモバイル株式会社
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