2022年12月20日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
大橋産業㈱
藤井 啓子 社長
自動運転技術の進歩や電気自動車の普及など、自動車産業が急速な変化を遂げている一方、変わることのない「安心・安全」というドライバーのニーズに応え続ける自動車用品ブランドがある。大橋産業株式会社が展開する「BAL(ベスト・オート・モービルライフ)」だ。
「品質第一を貫き、お客様に安心・安全な商品をお届けすることが使命。今後も社会貢献を目的とする企業として、より良い商品を社会に還元していきます」 と話すのは、日本を代表する電機メーカーで品質保証に携わった経験を持つ藤井啓子社長。昨年12月に3代目として就任し、設立から65年の業歴を数える同社の社訓「誠心誠意」を継承する新たなリーダーだ。
1957年に事業をスタートした同社は、まだ確立されていなかった自動車用品市場に進出。現在はバッテリー充電器やインバーター、エアーコンプレッサー、ジャッキ、エアーポンプ、自動車整備工具類、保安用品などを取り扱い、製品ラインナップは200アイテムに及ぶ。最近では、災害時に自動車から電源を確保できるインバーターなどが人気だ。
また、仕入れた商品をそのまま販売するのではなく、設計段階から厳しい自社規格のもとで開発。同業他社の多くが出来上がった商品の動作確認だけに留まる一方、同社は量産ラインから無作為に抜き取った商品をエンジニアが細部まで確認し、入荷後も再度確認する2重チェックを徹底している。納期を厳守するためのスケジュール管理も万全だ。
油圧式フロアジャッキ
新商品の開発にも積極的に取り組む同社では、商品部を中心に進める勉強会や、毎月1回、全社員がアイデアを出し合う商品開発会議では部署の垣根を越え、活発な意見が飛び交う。12月からTVCMが放送されているミラー型ドライブレコーダー「BALUCE(バルーチェ)」も社員の発案で生まれた商品だ。
「さらに当社が成長するためには社員一人ひとりが意見を持ち寄り、納得した上で仕事する自主性の高い組織に変わらなければならない。意見を言える場を作ることも私の仕事です」 と話す藤井社長は、常に自分が話をする前に相手の話を聞くことを心掛けており、何事にも熱量を持って取り組む社内の風通しをさらに良くしている。守口市が主催するイベントに参加する際にも、社員たちは「どうすれば子どもたちに楽しんでもらえるか」を徹底的に考えるという。
SDGsへの取り組みにも注力し、EC事業も視野に入れる藤井社長は今後のビジョンをこう語る。 「新しいことにチャレンジし、事業領域を違う分野へ広げていきたい。やる気と誠意がある若い人材を採用し、社員とその家族、当社の商品とサービスを受け取った全ての人を幸せにする会社にしたいですね」
製品に触れた子供たちも笑顔に
【会社データ】 本社=大阪府守口市大宮通3―1―14 ☎06―6996―2631 設立=1957年12月 資本金=7000万円 社員数=36名 売上高=21億円 事業内容=自動車用品の企画設計・生産(輸入)・販売 https://www.bal-ohashi.com
㈱光英科学研究所
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