2023年01月04日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱シーズプロジェクト
大髙 悦裕 社長
2010年に無人航空機運用・開発を業として個人創業、13年8月に法人化して株式会社シーズプロジェクトを設立した、現在50歳の大髙悦裕社長。13歳の頃から趣味としてラジコンヘリコプターの操縦を始め、23歳で産業用無人ヘリコプターオペレーター・指導員資格を取得。その後、RCヘリコプターF3C日本選手権に12回、世界選手権選抜大会に2回出場するなど、過去37年間無人航空機を生活の中心に置いてきた、無人航空機操縦のパイオニア的存在だ。
01年にはヤマハスカイテックに入社し、ヤマハの主力機種「R-MAX」の開発・評価パイロット等多数のプロジェクトに参画。06年に退職後はJAXAの専任パイロットとして「先進無人機開発プロジェクト」への参画等、常に無人航空機の最先端を歩んできた後に設立したのが同社だ。
創業後は、連続テレビ小説・大河ドラマ・スポーツ中継など、NHKの看板番組に無人航空機による空撮サービスを継続的に提供。その間、NHKとの共同で空撮時の振動を吸収する「ジンバル」を開発、ブレの無い空撮映像の提供に成功している。皆さんも、大髙社長が撮影したダイナミックな空撮映像を、一度は観たことがある筈だ。近年では、4K・8Kカメラを搭載したドローンによる高画質の空撮映像の提供を事業化、映像コンテンツの高品質化を実現している。
一方、無人航空機による「測量サービス」需要も旺盛だ。同社では、GPSシステムを活用した「航空レーザー計測サービス」の他、非GPS環境においても測量を可能とする「ホバーマップ×ドローン空間計測サービス」も提供。後者は、トンネル内などGPSが届かない場所でも、自己位置推定機能で衝突を回避。自律航行で空間を認識し、周囲の環境に影響されずに地形や形状の3Dスキャンを実行できるサービスだ。
「Hovermap」による3Dモデリング
18・19年には、「レーザースキャナの用途と精度検証」をテーマとする静岡市の産学官プロジェクトに参画。需要増を見込む無人航空機による環境空間3Dデジタルデータ化事業開始の準備を着々と進めている。
代表的機体・ヘリコプター型とマルチロータ型
3D都市モデルの整備を推進する「プラトー」や、現実世界に実在する物を仮想世界でリアルに表現する「メタバース」等の概念が現実化した今、益々求められるのが環境空間の正確な3Dデジタルデータ化だ。
「空中から」の3Dデジタルデータ化を得意とする同社は、より正確な3Dデータを得るために、近い将来「地上から」の3Dスキャンを行う「FARO Focus Premium」の導入を計画している。 「これによりシームレスな環境空間の3Dデータ化が可能となり、未来に正確な3D資産を残せます」 と、大髙社長は語る。
【会社データ】 本社=静岡県静岡市駿河区丸子7313 ℡054-204-6560 ℡080-6928-2585(担当者直通) 設立=2013年8月 資本金=1000万円 事業内容=無人航空機での空撮サービス・航空レーザー計測、データ処理・解析 http://www.seeds-pro.co.jp
㈱光英科学研究所
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