2024年06月17日
AERA「Business Report」掲載
AURA ARCHITECTS㈱
山本 謙一 所長
夏場の最高気温は30℃を超え、冬季には最低氷点下25℃を下回る、日本で寒暖差の極めて大きい北海道の地域で複数の庁舎建築を手掛け、建築・設計プロポーザルにおいて、ZEB仕様で木質の21世紀型省エネ建築案に選定されているのが、設立30周年となるAURA ARCHITECTS株式会社だ。
設計プランは地元基幹産業の林業資源等を多用した木質系で、木質系でありながら高気密・高断熱性能に優れ、計画換気で極寒・猛暑でも冬「温かく」夏「涼しい」快適空間が醸成される。完成後は地域自慢の建物として地元住民が気軽に訪れ、地場材料の素晴らしい利用価値を対外発信するような地産地消の環境設計を実践している。
「高層ZEH-M」と上質なデザインの内装の数々
設計者は同社代表の一級建築士・山本謙一所長だ。1961年北海道生まれの山本所長は、北海道大学建築計画学修士を終了後、超高層ホテルの設計事務所の勤務を皮切りに、大手ゼネコン本社設計勤務を経て同社を設立。以来30年にわたって寒暖差の厳しい北海道の気候を快適にする高気密・高断熱・計画換気にこだわり省エネ性能に優れた快適空間の設計デザインを提供してきた。
超省エネの「ZEB」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)設計において、110%の認証を得るなど先端を行き、2019年度には、環境省が認定した「高層ZEH-M」クラスの高層マンションで、見事に「空間断熱性能日本一」(※)を獲得している。
※ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会2019より
長年の豊富な実績ノウハウでZEB、ZEH-Mの超省エネ建築を良心的コスト・デザインで実現
北海道有数の厳しい寒暖差の地域で磨きをかけた「超省エネ設計」技術は、日本全国どこの気候風土にも快適さを発揮する。同社では東京・銀座の東京オフィスを起点にして全国の公共施設、民間施設に向けて持ち前の設計技術を提供している。25年4月から新・省エネ基準による適合性審査が義務化される流れの中、同社の一貫した取り組みに集まる期待はさらに高まることだろう。
社名の「AURA=アウラ」とは、美術用語で「独自の雰囲気・佇まい」を意味する。温熱環境など「見えないデザイン」も併せて建築空間をデザインし、視覚・聴覚や暑さ寒さなど身体感覚で感じる快適な雰囲気を大切にする。暖房ではなく「温房」、冷房でなく「涼房」と呼ぶ同社は、自然を活かして、光熱費を極限まで削減し快適でストレスフリーな空間を生み出す、「パッシブデザイン」の思想をコンセプトの中心に置く。
世界的に地球温暖化防止やSDGsの実践が必須と云われる中、建築物が生涯で排出するCO2等の温暖化物質の量は建設時の2倍以上と無視できない。今こそ熱や光、風などの自然エネルギーを有効活用した21世紀型超省エネ建築の「パッシブデザイン」が求められる所以だ。 「地産地消の林業資源の活用も、林業復興でCO2削減に貢献するという意味で、地域再興にも繋がる。『今後も各地の地域文脈を生かした空間設計で、温暖化防止やSDGsの推進に力を注いでいきたい」 と、山本社長は意欲的だ。
AURA ARCHITECTS㈱ 東京オフィス=東京都中央区銀座6-13-9GIRAC GINZA8F ℡03-5931-7962 札幌オフィス=北海道札幌市厚別区厚別中央二条2-3-6 ℡011-891-8404 設立=1994年2月 資本金=5000万円 事業内容=超省エネ建築企画・設計・監理・コンサルティング、街づくり支援等 https://www.aura-a.design
AURA ARCHITECTS/山本 謙一 所長
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