2021年03月30日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱丸徳商会
徳間 信平 社長
信用は確固たる信念から生まれる――。渋沢翁の言葉を体現するかの如く、自動車部品・用品の卸売会社として創業から70年以上の業歴を積み重ねる株式会社丸徳商会は、「お客様第一」という信念を貫くことで信用を育み、今なお成長を続けている。
「社是に記す‶空気と水の如く、社会に必要であるべき存在〟であり続けることが当社の基本理念。お客様と一緒に成長しながら社会に貢献することを信念に、お客様中心のサービスを徹底的に追求してきました」 と話す徳間信平社長は13年前に同社に入社以降、各営業所を回って現場のニーズと課題を掌握。前職のシステムエンジニア時代から培う「整理する力」と、持ち前の「実行力」で大胆な業務改善を推進している。
その一つが在庫戦略の見直しだ。顧客が求める商品をスピーディーかつ安定的に供給すべく、競合他社を圧倒する在庫量を確保。車検・修理工場を中心とする、約1200社という高い販売シェアは仕入先からの信頼にも繋がり、同社の最大の強みになっているのだ。 「現場の『すぐに欲しい』というニーズの拠り所となるために在庫を増やしました。寡占産業と言われる市場で勝ち残るためには、仕入先からの信用も大切です」 と語る徳間社長は新たな組織づくりにも取り組み、各営業所の事務機能を本社に一本化。注文などの電話応対にパート社員を活用し、ホスピタリティー溢れる対応が顧客に満足と安心を提供している。理想は「パート社員が初日から対応できる組織作り」だという。
「一生懸命に仕事していれば失敗もある。社員一人ひとりがやりがいを感じ、私たち経営陣と同じ目線、方向に導きたい。やる気と『自分の会社だ』という信念を持って欲しいと思います」 と話す徳間社長は新人教育の体系化や自由度が高い職場づくりを進める傍ら、創業者である祖父君、そして、「誠実」に、「精一杯」に顧客第一主義を実践してきた先代の母君(徳間寛子会長)の思いを継承。悲願である北関東全域への営業所開設を5年以内に実現し、売上100億円を目指す。
「母の『今年入社した高校生が60歳になるまで会社を継続して欲しい』という願いを叶え、『110年企業』を実現することが私の使命。さらに販売網と商品を拡充し、グローバルな会社になりたいですね」(徳間社長) オリジナル商品の販売も視野に入れる同社は、トヨタ「ハイエース」に特化したブランド「Neo Tune CAST」を開設。機能性パーツメーカーの㈱サンコーワークスとチーム「CAST RACING」を結成し、今年4月から全日本ラリーにスポット参戦する。モータースポーツという新たな挑戦によって、同社は次なるステージへとアクセルを踏み込む。
【会社データ】 本社=埼玉県深谷市国済寺500―3 ☎=048―571―3135 創業=1947年12月 資本金=2000万円 従業員数=137名 売上高=48億円 事業内容=自動車部品・用品、機械工具の販売 https://marutoku-shokai.co.jp
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