2021年07月06日
週刊朝日「Challenge 2021」掲載
ITbookテクノロジー
菊田 志向 社長
近年の異常気象は夏場の炎熱地獄やゲリラ豪雨など、気象観測史上でも稀な災害レベルの気候変動を示している。 特に、屋外・高所での作業、軟弱地盤での作業が強いられる建築・土木工事現場や、各地の河川・ため池など氾濫の恐れのある流域を抱える地域では、時々刻々変化する気象情報をリアルタイムに把握することで、起こるべき労働災害・自然災害による被害を防ぐことが出来るかも知れない。 そこでお勧めしたいのが、ITbookテクノロジー株式会社が提供するクラウド型のIoTサービス「みまわり伝書鳩」だ。
これは、通信回線(専用インターネット回線・専用携帯通信網)、計測器(各種センサ端末)、情報管理サービス(運用・管理)がセットになった「遠隔監視制御システム」で、風速・気温・雨量・湿度・暑さ指数(WBGT)など総合気象観測センサーと組み合わせることで、リアルタイムの環境情報と今後の予報を把握し、防災に役立てるもの。計測した情報は10分間隔でクラウドサーバに自動的に更新され、管理者はスマートフォンやPCから必要な時にいつでも確認できる。緊急を要する場合には、アラームメールや三色表示灯での現場作業員への警報の発出や、管理者による水門などの接点遠隔制御も可能だ。
建築・土木向け「みまわり伝書鳩」は、大手ゼネコンの建設現場を中心に次々と採用され、今年9月には、ヘルメットへの打撃音で危険を気付かせる新機能も追加予定だ。 また、環境・防災向け「みまわり伝書鳩」は、長野県上田市の緊急時のため池水位監視や平時の利水目的の水位管理等の遠隔監視に導入され、その事例は内閣官房のHP上に国土強靭化対策のサービスとして紹介されている。
マザーズ上場のITbookホールディングスグループのシステム開発・デジタルサービスの中核企業として、2020年2月に設立された同社はRINET・エスアイ技研・データテクノロジーの3社を吸収・統合し、同年4月から本格的に事業スタート。 センサーからクラウドまでを統合した「IoTソリューション」を担う部門では、「みまわり伝書鳩」の他、施設園芸農家向け次世代型統合環境制御装置「温調みつばち」の普及にも取り組んでいる。
これは、施設栽培用に接続される空調・調光・潅水・炭酸ガスなどの様々な設備の稼働状況を、栽培農家の肌感覚で管理・制御できる装置。外出先からでもスマートフォンやタブレット、PCなどで閲覧や遠隔操作が可能で、農家の自由度を格段に高める。 このように「IoTソリューション」は様々なイノベーションを創出していく。
本社=東京都港区虎ノ門2-3-17 虎ノ門2丁目タワー ☎=03-6268-8788 設立=2020年2月 資本金=1億円 事業内容=システムソリューション・IoTソリューション・組み込みソリューション https://www.itbook-tec.co.jp
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