片山鋲螺工業/片山 秀次 社長

2021年08月24日

週刊朝日「Challenge 2021」掲載

ものづくり大国を象徴する100年企業
このネジが車を走らせ、飛行機を飛ばす

片山鋲螺工業

片山 秀次 社長

 大河ドラマ『青天を衝け』で、小栗上野介が近代化の象徴として渋沢栄一に示した一本のネジ。そのネジで大正の初めより工業立国日本を支えてきたのが、この8月で創業から107年を迎えた片山鋲螺工業株式会社だ。
 100年企業として今なお発展し続ける同社。その秘訣を片山秀次社長はこう語る。
「関東大震災、第二次世界大戦、オイルショックなどで経営危機に陥る度に、変革を断行し乗り越えてきました。時代のニーズとともに変化を遂げ、現在に至っています」

タイの現地法人 カタヤマ アドバンスト プリシジョン

 

 バブル崩壊後は海外に打って出た。今、タイのアユタヤで2つの工場が稼働している。国内のグループ会社である大東螺子株式会社(静岡県裾野市)とともに、著しい成長を見せている。
 同社のホームページを開ければ、まさにネジの百花繚乱。どんな業種からの要望にも応えられる品揃えだ。

まさかの社長就任
社員が幸せな会社

 高校生の頃、音楽プロデューサーを夢見ていた片山社長。だが両親の強い要請を受け入れ断念。工学院大学卒業の翌日、同社に入社した。それでも、自分が社長になろうとは夢にも思わなかったという。
 10年前、従兄である先代が若くして逝去し、実兄や周りから背中を押され就任することに。「右も左も、上も下もわからない」ところからのスタートだった。まずやったのは情報の開示。社員の自覚を促し、自ら考える社風につくり変えた。

 CSR活動にも同社は積極的だ。その第一歩は、自分たちの意識変革であると片山社長は考える。環境、人権などの世界のニュースを月に2回、全社員に向けて配信している。ベトナム、タイ、中国など多彩な国籍の人材が活躍できる職場にもなってきた。
 これからどんな会社にしていくのかを問うと、こんな答えが返ってきた。
「縁あってうちで働いてくれている社員には、一人残らず幸せになってもらいたい。それが第一ですね」

【会社データ】
本社=東京都港区芝大門2-11-4
☎=03—3432—3711
創業=1914年8月
事業内容=各種ネジ類の設計・製造・仕入・販売
https://www.katayama-screw.co.jp

 

『注目企業オンライン』は、各分野における優良企業を独自に取材し、トップインタビュー形式でご紹介しています。

『注目企業ONLINE』は「サンデー毎日」をはじめ、様々な媒体で当社が独自に取材した注目企業の掲載記事をオンライン版として公開しています。

掲載をご希望の場合はこちらまで
s-comm@s-comm.co.jp

2024年3月15日発売!

㈱三協(静岡県富士市)の石川俊光社長が、会社設立60周年を機に書き下ろした「三協」60年の軌跡。

2023年8/31発売!

豊島区長・高野之夫の区長日誌

日本シニアリビングWEB STOREでご購入いただくと送料無料です

「乳酸菌生産物質」に賭けた人生2

「乳酸菌生産物質」に賭けた人生1