2019年03月26日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
アレックスソリューションズ
大野 雅宏 社長
グローバル化するIT業界が海外企業との橋渡しをする「ブリッジ・エンジニア」の確保に奔走する中、国際感覚と語学力が高い日本人留学生に特化した人材サービスを提供し、右肩上がりで業績を伸ばしているのが株式会社アレックスソリューションズだ。
「日本の企業にはITと英語の双方に長ける人材が少ない。私たちはITに精通するエンジニアに英語を教えるのではなく、異国で様々な体験と語学力を積んできた留学生たちの能力を活かすため、彼らの武器としてITを教えています。この、同業他社とは真逆のアプローチが高く評価されているのです」 と語る大野雅宏社長は大学在学中にエジプトのアレクサンドリアに語学留学し、アラビア語を習得。その後、友人のIT企業で営業に従事していた際、英語に対応できる技術者がいないことで断念せざるを得ない開発案件を多く見てきたことが創業のきっかけになった。
同社は「留学生」の概念を「海外に行って何かを経験してきた人」と捉え、ボランティア活動などで海外生活を経験してきた人材まで広く採用。入社後はITの基礎スキルに留まらず、ネットワークの技術資格として世界基準である「CCNA」の取得など高度なIT研修も行っている。ネイティブ講師による英会話レッスンも同時に行っているので、語学力に不安が残る留学生も安心できる。 また、社員がモチベーション高く働ける環境を目指し、1カ月に及ぶ「フリーバカンス休暇制度」や「異業種・異性交流会助成金」などユニークな制度を数多く導入している同社。シンガポールとスリランカ、5月に開設するイスラエルの拠点を活用する「海外研修制度」も魅力的だ。
現在、派遣先に常駐する社員は150名を超え、9割を占める日本人をはじめ20カ国の留学経験者が在籍。その業種は商社や建設会社、外資系メーカーなど幅広い領域に広がっている。 「自律的に行動する『バックパッカー精神』を持つ真のグローバル人材を育てることが目標。日本企業が世界で仕事する時の黒子として、『実はアレックスの人材が活躍している』という存在になる事が私の夢です」 と話す大野社長は「引き抜き」によって世界的IT企業に転職する社員を、一種のサクセスストーリーとして応援するなど、社員のキャリアを尊重。年1回「OB会」も開催し、中には日本人メジャーリーガーの通訳として活躍している〝卒業生〟もいるという。
「海外で苦楽を味わい、『自分はどこでも食べていける』と自信をつけた人の方が社会で活躍できる。学校を卒業してすぐに就職するのではなく、数カ月でも海外に出てみることも選択肢の一つだと思いますよ」 と大野社長は語る。
【会社データ】 本社=東京都港区赤坂2―9―2 WAYTOWERS7F ☎=03―4590―0969 設立=2007年4月 資本金=4000万円 社員数=200名 売上高=15億円 事業内容=グローバルエンジニアリング事業、海外研修事業など http://www.alexsol.co.jp
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