220323 ㈱フジプロテック／赤井智則社長

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2022年03月23日

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合理的なモノづくりと若者の力で
製缶業を「持続可能な」産業へ

㈱フジプロテック

赤井智則社長

　横浜市に根差して板金製缶業を営み、創業から半世紀以上の業歴を誇る株式会社フジプロテック。板金加工から製缶加工、機械加工、多彩な金属加工を最先端の設備を駆使してクライアントの期待に応える。パイプやアングル、チャンネルといった鋼材を、専用機を導入しレーザー加工するなど、製缶の生産体制のプラモデル化（合理化）を確立し、若手人材の採用・育成によって令和の時代に適したサステナブル（持続可能）なモノづくり企業へと進化している。

「製造業の会社が一体何を作っているのか、一般の方だけでなく隣近所や関係のある同業者ですらわからない、知らないことも多い。当社は積極的にＳＮＳ等で情報を発信し、パッと見て『楽しそう』『格好いい』『やってみたい』と興味を持ってもらうような集団になれるよう、先ずは意識し活動しています」
　と話すのは幼少期から溶接作業や機械に触れ、現場で「英才教育」を受けてきたという赤井智則社長。２０２１年４月に就任する以前に訪れた１９年の経営危機をきっかけに、駄目なものや無駄を徹底的に排除し、大胆な改革を推進してきた。

「会長である父がひたすら前向きに、時代の流れに合った設備投資で機械化を進めてきたことが５０年以上に及ぶ業歴の原動力。しかし、人間が時代の流れに追いついていない。まだ『昭和の気質』が色濃く残っていると平成時代も感じていました。技術的にも、これだけ機械化が進む中、材料を揃える工程に『手作業』が必要な為必ずバラツキが発生し、そのつじつま合わせが出来る『職人』と呼ばれる人たちが居ないと上手く完成させる事が難しい『製缶品』を、出来る人を育てるのは当然ですが、それ以前に『人間の手作業』を、どうにかして変えていく事が急務であると考えていました。『製缶品』に必要な材料切断を、可能な限りレーザー加工することによって、プラモデルの様に嵌め合いで組み立てられるように、無駄を無くし簡略化することで、何十年も製造業を経験しなくても製品が出来上がる仕組みを確立させました」

　また、「製造業が無かったら何も生まれない、ものつくりは絶対に無くならない職業」と話す赤井社長は、学生時代は横浜高校の応援団で人間関係、上下関係、我慢する事、努力する事の大切さを学んだ。「結果は努力に比例する」を座右の銘に掲げ、人の何倍もの努力と諦めない精神力によって、スケートボードや極めて難易度が高いバイクスタントにもチャレンジ。ともに練習に励む若者が努力する姿や様々な世代の仲間たちとコミュニケーションを図る光景を注視し、自社のスタッフとして採用することもあるという。

「今の若い人たちは、物事をとても合理的に考えている。どうすれば上手くなれるか？無駄がないかを先ず自分で調べ行動する。親子ほど年の離れた私たちと積極的にコミュニケーションをとる人もいます。また、社内には高い学歴を持つスタッフや、学生時代にスポーツで全国大会に出場したスタッフ、痛い思い辛い思いをしながらも競技と向き合いレベルアップを目指すスタッフなど、各自が努力してきた経験を生かし、仕事や会社を『もっと良くしたい』という思いを人一倍持つ人材が、リーダーとして活躍してくれています」

と、赤井社長は人材への投資が着実に成果を上げていることを実感。24歳で入社した新入社員に改革の実感を問うと、「まだ足りないと思います」と心強い言葉が返って来たという。
「身体のあちこちが痛くても、自分が絶好調だと思うなら絶好調。他人にどう思われようが、重要なのは本人が幸せかどうかです。スタッフ全員が安心して当たり前の生活を送れること。時代に合った企業になるため、さらに高いレベルに対応できるよう常にアンテナを張って、発展し続けたいですね。最近では製造業チャンネル（ÝouTube）に出演させて頂き、弊社がどのような活動をしているのかを紹介して頂きました。見て頂くのが一番理解して頂けると思います」（赤井社長）