今年７月で設立56年を数える株式会社エスピックは、デジタルマーケティングの黎明期である年代から様々な領域へと業務を拡げ、現在は多様な分野でシステム開発をはじめとしたＩＴサービスを手掛ける。提案・開発・運用・保守まで、きめ細やかなサービスを一貫して提供できる対応力が強みだ。

　同社には〝いい組織や社会とは、いい人たちによって形成される〞という考え方から生まれた「Good People Company」という企業理念が深く浸透している。
「『人を一番大事にしながら、人の成長と共に成長していく企業』という理念は先代（島至会長）がこれまで築き上げてきた企業文化として、この先も大切に継承していきます」と話すのは、就任６年目を迎える白川満貴社長だ。

　こうした考え方が社員の自発性を育み、顧客満足度調査では「協力度」「業務理解度」が高く評価されてきた。大手企業であれば「契約上ここまでしかできない」と断るだろう案件も、同社では「何でも相談できる」信頼関係を醸成しながら、常に顧客と一体になって課題を共有。より高いレベルで求められる業務領域を拡げながら、５ヵ年計画として「社員数約倍、売上約倍、経常利益率６％」と上場企業並みの目標を掲げ、堅調に業績を伸ばしている。

「利益率を優先し、何かとＤＸやクラウドなどパッケージで解決させようとする傾向がみられる中で、お客様と膝を付け合わせて『ああじゃない・こうじゃない』と言いながら一緒に作っていくスタイルが本質的に求められているように感じます」と白川社長は話す。

　同社は全社での社員旅行に力を入れ、参加する家族の分も半額負担している。３年に１度実施する海外旅行についてはこの数年、コロナ禍で実施できない事情があったが、昨年月には岩手県・花巻温泉への４年ぶりの社員旅行を敢行。今回は旅館を一棟貸し切り、家族も全額負担としたところ総勢２３０名が参加し、そのうち１／３が社員の家族で大いに盛り上がった。白川社長はこうした場から生まれる自発性や、人との親交がいきいきと各々の実務へ昇華する手応えを実感している。

「ＩＴは個々の技術だけではなく、多種多様な人がいてこそ相乗効果が出る。一人一人が主役となって、いろんな人の知恵を出し合うことで総合力が生まれ、強力な力が発揮できます」と話す白川社長は「ＲＡＮＧＥを拡げること」を今期のテーマに掲げる。

「重要なのは、今の自分が持っていない考えや価値観を受け入れ、吸収すること。競争ではなく、共生のステージを一体となって高めていきたいですね」
と白川社長は語る。

株式会社エスピック
本社＝東京都墨田区両国2-10-14両国シティコア９階
☎03-5625-3820
設立＝1967年7月
従業員数＝372名
売上高=35億3700万円
事業内容＝ソフトウェアの受託開発、パッケージ販売、アウトソーシング・サービス等
https://www.spic.co.jp/