2022年03月14日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
大有(タイユー)㈱
田中 良和 社長
製造ラインで用いられる装置に原料や中間体を供給・運搬するマテリアルハンドリング機器。省人・省力化によって働き方改革にも寄与する「マテハン」機器のリーディングカンパニーとしてユーザーの業務改善をサポートし、クライアントから絶大な支持と評価を受けているのが大有株式会社だ。
戦後間もない1950年、大手鉄鋼メーカーにベアリング鋼を納入する商社として創業した同社は、53年に国産初のドラム缶運搬車「ドラムポーター」を発売したことからメーカーへと転身し、クライアントが抱える現場の課題と誠実に向き合う中で様々なオリジナルのマテハン機器を市場に創出してきた。現在も荷揚げリフターや垂直搬送装置、袋体やフレキシブルコンテナの内容物解砕機「ブレーカーシリーズ」、中間倉庫向けのドーリー台車を複数まとめて運搬する「押しドリくん」といった、数々の人気製品がモノづくりや物流の現場で活躍している。
「マテハンメーカーとしての70年を超える歴史と実績は誇れることですが、対応力を培いながら『オーダーメイドの大有』として成長し、お客様に『マテハンで困ったら大有に相談してみよう』と思って頂けていることの方が重要です」 と話す田中良和社長。独自に構築してきた事業の核「オーダーメイドで応える」に加え、ときに他メーカーともコラボレーションしながら「マテハンを繋ぐ」という〝コトづくりの提案者〟としてのブランドイメージが確立されてきたことが自社の強みだという。
マテハンの課題解決をサポート
そして近年、このブランドイメージをさらに色濃いものにしているスローガンが「すべてはユーザーのために」だ。共通言語として空気の如く社内に浸透している、この〝魔法の言葉〟のもとで営業・設計・生産の各部門が連携を強化し、全社員がオーダーメイド製品の設計・製作を楽しんでいる。一人ひとりが「ユーザーのために」を追求するあまり、支店をまたぐ複数の営業マンが同じクライアントに対して違う製品を提案することもあるという。
「私たちにとっての『最適』ではなく、お客様の『最適』を提案することが仕事。『良い機械』はユーザーが決めるのです。もっとユーザーの課題解決に貢献できる会社になるために、効率的な生産性やマンパワーを高めなければなりません」 と話す田中社長は属人的な方法に依存しない技術の伝承や無駄を省いたモノづくりを推進するとともに、クライアントが「最適」と考える課題解決を実現するための設計の効率化や機種別のモジュール化など、新たなスキームを構築して需要拡大に応えていく方針だ。若い社員たちの提案力も積極的に取り入れながら〝魔法の言葉〟で繋がる同社のコトづくりはぶれることなく、さらなる高みへと進化していく。
田中社長を支える宮永恭佑専務
【会社データ】 本社=千葉県千葉市美浜区新港13 ☎043―204―5061 設立=1950年11月 資本金=1000万円 従業員数=55名 売上高=16億円 事業内容=マテリアルハンドリング機器のオーダーメイド設計・製造・販売など https://taiyu-kabu.co.jp
大有株式会社
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