2022年04月12日
週刊朝日「Challenge 2022」掲載
メトロ電気工業㈱
川合 誠治 社長
昨年12月、環境省主催の「令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰」で、気候変動アクション大賞を受賞したメトロ電気工業株式会社は今年1月、2030年までに温室効果ガス排出量・実質ゼロを目指す「メトロゼロカーボン2030宣言」を表明した。 気候変動アクション大賞の受賞は、同社開発の赤外線カーボンランプヒーター「オレンジヒート」が、加熱方法の革新で産業界に大幅な環境負荷低減をもたらす可能性を評価されたものだが、今回の表明は、産業界にCO2排出量削減の方法を提案する企業として、自らの取り組み姿勢を社内・外に宣言したものだ。
同社はこれまでも、太陽光発電の導入や設備の省エネ化、空調・照明の見直しなど省エネ対策に取り組み、既に、2020年度の全社CO2排出量で2013年度比27・5㌫削減を達成している。さらに一歩進んでゼロカーボンファクトリー(ZCF)の実現に向けて今年1月から本社工場、4月からは島根工場で再生可能エネルギー電力への切替えを実施し、CO2排出量にして249㌧、96㌫削減(2013年度比)の見込みとなる。残された4㌫についても、更なる電動化や水素エネルギー利用を積極的に推進し、2025年までにZCFを実現する構えだ。
これらの施策の旗振り役となってきた川合誠治社長は今年2月、「環境力」のある中小・中堅企業の経営者を顕彰する、2021年度経営者「環境力」大賞(主催:認定NPO法人・環境文明21)を受賞している。
「オレンジヒート」は、家電量販大手・ヤマダHDが展開するプライベートブランド・タワー型暖房製品の熱源として採用されるなど、民生品にも活用が広がっているが、設計自由度が高く最高温度2000℃まで自在に出力可能な「オレンジヒート」の比類なき性能は、産業界の様々な加熱工程でこそ生かされる。
従来のガス加熱を「オレンジヒート」による加熱に転換し最適な装置に変更することで、CO2排出量を大幅に削減し、設備の自動化や生産性向上も含めたトータルエネルギー使用量削減にも貢献できるのだ。 同社では、昨年10月に制定した新・企業理念で、「今までにない価値を創造する提案型のエンジニアリング企業に生まれ変わる」ことを社内・外に示している。
役員・社員持ち株会で株式の7割を保有し、賞与とは別に株式配当も支給するという同社は社員皆の結束力も強く、持ち前の<熱意><創意><誠意>で脱炭素社会の実現に向けて、多大な貢献を果たすだろう。
愛知県安城市の本社・工場(左)、島根県雲南市の島根工場(右)
【会社データ】 本社=愛知県安城市横山町寺田11-1 ℡0566-75-8811 創業=1913年5月 資本金=6000万円 事業内容=暖房器・ヒーター管・加熱機械器具事業等 http://www.metro-co.com
メトロ電気工業株式会社
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