2022年04月26日
週刊朝日「Challenge 2022」掲載
㈱東洋環境分析センター
藤井 勝己 社長
日本の水道水は有数の安全レベルにあると言われているように、私たちが普段口にしている水や食品は〝安全〞が大前提だ。確かな安全性を裏付ける検査機関には、緻密な検査技術はもちろんのこと、絶対的な信頼が恒久的に求められる。
鹿児島県に本社を置く株式会社東洋環境分析センターは、水質検査や食品検査などを専門分野として設立。試験プロセスなどの国際規格「IS017025」の認定や、水道水の水質検査の精度と信頼性を保証する「水道GLP」認定を取得するなど高い検査レベルを誇る。現在、九州で10拠点を展開する同社は、この分野のパイオニア的存在として九州全域の〝安全〞をカバーし、この6月に設立20周年を迎える。
「『水』と『食品』の検査を通じて顧客との信頼関係を築く中、環境分野での様々な調査業務へと裾野が自然と広がり、同時に私たちも技術の研鑽を重ね、地道にここまできました」 と話すのは、藤井勝己社長だ。その蓄積が実を結び、同社は九州エリア一帯の各種水質調査を手掛け、全幅の信頼を得ている。
「一つでも問題を起こせば会社全体に深刻な影響を及ぼす。顧客との信頼関係を築けてきたのは、現場で地道に努力を重ねてきたメンバーのお陰です」 と話すのは、延原亮司取締役技術部長だ。
延原 亮司 取締役 技術部長
検査データの偽造は、意図すれば出来てしまうもの。あってはならない不祥事が起こる契機はそこにある。 「だからこそ私たちはものすごく大切な『裏付け』を取り扱っている。困った時は『損得』ではなく『今後の信用』を取るようにと、常に社員には言っています」 と話す藤井社長。2021年は各種機関からの要望により、福岡ラボでPCR検査を開始。鹿児島空港や鹿児島中央駅の水際対策としての検査にも従事した。
一方で同社は昨年11月に地上7階建ての福岡ラボを増築。検査分析室の他、オフィス機能や大会議室などを備え、今後は九州に3ヵ所あるラボの中でも、中心的な拠点として発展させる方針だ。責任者である延原取締役技術部長はこう話す。 「これまで検査機関としての仕事を通じて地域にお手伝いができた。福岡ラボの増築は未来へ向けた投資であり、若い社員のモチベーション向上にもつなげたい」
毎年のように豪雨や地震など大きな自然災害に見舞われる九州で、同社は災害対応においても常に重要な役割を求められてきた。 「私たちは九州の皆様に信頼をいただいて、共にここまでやって来られました。厳しい時に可愛がってくださった方への恩義もあります。20周年を前に、これからも原点を忘れずに取り組んで参ります」 と藤井社長は語る。
■会社データ 【本社】鹿児島県鹿児島市下伊敷1- 11-10 【福岡事業本部】福岡市博多区井相田3-5-10 ☎=099-806-1040 設立=2002年6月 資本金=7000万円 従業員数=119名 事業内容=水質、食品の各種検査・分析、環境調査 http://www.let-toyokankyo.com
株式会社東洋環境分析センター パソラボ
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