220426 星光工業㈱/小林 史明 社長

2022年04月26日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

ファイバーレーザー加工機の導入で守備範囲拡大
金属プレス+板金加工+溶接技術の総合力が強み

星光工業㈱

小林 史明 社長

 工作機械にはそれぞれ用途の守備範囲があるが、既存のCO2レーザーに加えて最新のファイバーレーザー加工機を導入することで商圏を拡大、V字回復を目論む老舗モノづくり企業がある。1955年7月の設立、社歴67年を数える金属プレス加工企業、星光工業株式会社だ。

 設備投資の財源の一部には、「令和2年度第3次補正・事業再生補助金」を申請、見事採択されて給付される補助金を充てる。これまで、エアバッグケースなど自動車部品の精密金属加工が主力だったが、最大25㍉㍍の厚さの金属板の高速切断が可能な三菱電機製ファイバーレーザー加工機の導入で、需要旺盛な建設機械のボディーや鉄階段・橋梁部品など建築資材加工分野への進出を狙う。装置納入は今年8月末の予定だが、既に建機・建材業界へのアプローチは開始しており、確かな好感触を得ている。

 それもその筈、ISO9001も取得済みであり、品質基準の厳しい自動車部品加工分野で長年にわたり品質管理思想を醸成。金属加工業界では珍しく金属プレス+板金加工+溶接技術の総合力を併せ持つ同社は、発注主にとってもワンストップで部品供給を任せられる心強い存在だからだ。
 近年では、ベトナム、バングラディシュ、中国、スリランカ、ブラジルから、技能実習生も含めて外国籍人材を受け入れているが、勤勉な彼らも日本のモノづくり思想を日々、現地現物で学んでいる。同社が使命として掲げる「モノづくりを通して人づくりをする」理念が浸透している証だ。

2027年売上高10億円・
営業利益7千万円を目指す

CO2レーザーで加工した同社エントランス

 実は同社は数年前、事業承継のタイミングで日本のモノづくり企業の再生をミッションとする㈱MJGの傘下に入っている。現在同社を率いる小林史明社長は、早稲田大学大学院理工学研究科を卒業後トヨタ自動車に入社。「レクサス」「プリウス(TNGA)」の開発プロジェクトに携わり、海外赴任中に豐田章男社長の掲げる「Start Your Impossible」の精神を体現すべくスピンオフ。数社のタイプの異なる外資系自動車部品メーカーやトラックボデーメーカーを経て、昨年9月、同社代表に就任した才気溢れる未来型の経営者だ。

「ハイテンプレス加工や同時TOX®カシメなど、特殊な加工技術も有する当社技術スタッフのレベルは、外国人技能実習生も含めて非常に高いと自負しています。今後は個々の技術力を有機的に生かし、ベクトルを合わせて新しい分野に果敢にチャレンジしていきたい」
 と、小林社長は商圏拡大への旺盛な意欲を語る。

 今回給付を受ける補助金は、資格審査の厳しい事業再生補助金の性質上、事業進捗のチェックと報告が義務付けられており、同社としても、装置導入と同時にフル回転出来るよう新規市場開拓に総力戦で挑む。
 同社では、2027年には新規市場の売上高を自動車部品関連並みに伸ばし、売上高10億円・営業利益7千万円を目指す。

導入予定の三菱電機製ファイバーレーザー加工機

【会社データ】
本社=茨城県取手市下高井1257-2
℡0297-78-1511
設立=1955年7月
資本金=3000万円
事業内容=精密機械部品のプレス量産加工及び金型製作、建機部品・建材加工等
https://www.seikoukogyo.jp

 

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