2023年05月09日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
ハルツォク・ジャパン㈱
小須田 道彦 社長
鉱業・鉄鋼・セメント・銅精錬等の素材産業では厳密な品質管理の為に、➀巨大プラントの各工程で試料を採取するサンプリングを行い、②広大な敷地内にある製造現場と分析室を気送管で結んで試料を搬送し、③正確な分析のために試料に前処理を施した上で迅速に分析を行い、④分析結果を瞬時に製造現場にフィードバックするシステムが稼働している。これら一連の全自動分析システムを提供し、日本市場で約75㌫のシェアを有するのが、独・HERZOG社の日本支社として1991年6月に設立されたハルツォク・ジャパン株式会社だ。
蛍光X線分析や発光分光分析など分析工程で発生する分析値エラーの95㌫は、サンプリング・試料調整段階に由来すると言われているが、HERZOG社は先駆けてエラーを防ぐ「分析の前処理装置」の数々を開発、今やその分野で世界シェア約7割を握る世界最大手企業に成長している。
その日本法人である同社も、サンプリング・搬送・前処理・システム管理の各工程の機械・電気(弱電・強電)・ソフト全般に精通した技術者揃い。一般的に外資系企業はサポート体制が不安と言われるが、同社はそれらマルチプレイヤーの技術者達が技術サービスマンとして、「現場を止めない」ことをモットーに即時対応の顧客サポートを行う。
また、機器故障時に即応する在庫部品を豊富に取り揃える他、新設のメタログラフィ事業部では、試料作成に必要な消耗品類の輸入販売もカバー。さらに、トルコ・METKON社の日本代理店として試料組織観察用作成装置も扱うなど、顧客の要望に全て応える体制を整えている。
鉄鋼業界分析システム一例
現在代表を務める小須田道彦社長は長野県上田市出身。明治大学中退後、日本の鉱山学の最高峰・秋田大学鉱山学部に学び、卒業後は海底油田開発に10年間携わり、サハリン海底油田試掘に成功した経歴を持つ。その後同社に移籍し技術担当取締役を歴任後、昨年4月に代表に就任した小須田社長は、「日本は資源大国になれる‼」(東京図書出版刊)<アマゾン・資源エネルギー分野で13年11・12月1位>の著書もある、山登りをこよなく愛する硬骨漢だ。
「世界有数の自動分析に関わるメカトロ技術力を持つ当社は、設立以来33期連続黒字経営を達成。中でも、昨今話題の『アップサイクル』の代表格の国内セメント工場向けには、100㌫当社のシステムが納入されています。『都市鉱山』と言われるレアメタル精錬にも有効な当社技術はまだまだ伸び盛り。韓国・台湾にも市場を拡げ、ドイツ出張の機会も多い当社にはグローバルに活躍出来る舞台がある。英語力習得は入社後で結構。まずは世界に雄飛するエンジニアを目指して、当社の門を叩いて欲しい」 と、小須田社長は自由度の高い環境を整えて技術者候補生の参加を待つ。
全自動分析システムレイアウト
【会社データ】 本社=東京都豊島区駒込2-3-7 ℡03-5907-1771 設立=1991年6月 資本金=2000万円 事業内容=素材産業用全自動分析システムの輸入販売、装置の基本設計・保守等 https://www.herzog.co.jp
八洲産業㈱/高椋 正年 社長
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