2023年05月16日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱タス
絹川 善明 社長
とかく不透明と言われる不動産の「価値」を、誰もが見えるカタチにすることを目指して開発された、業界初の不動産評価アプリケーションサービス「TAS-MAP」。 その提供を目的に2000年8月に設立されたのが株式会社タス(絹川善明社長)。出資社はトヨタ自動車、豊田通商と航空測量大手でトヨタグループの朝日航洋、不動産鑑定評価の三友システムアプレイザルの4社で、それぞれの頭文字を採ってTASと名付けられた戦略企業だ。
提供開始以来「TAS-MAP」は、そのローコスト、スピード評価、属人性や恣意性を排除した高い精度、全国対応などの特長が好感されて、不動産の担保価値を査定する金融機関等を中心に瞬く間に普及した。 その後も、ゼンリン地図やアットホームのデータベースも駆使して、土地建物評価、マンション評価、収益評価、ブルーマップなどの機能を追加。さらに個別顧客向けのカスタマイズにも対応して顧客層の幅を広げていった。
「タス」のロゴマークと「TAS-MAP」のロゴタイプ
会社設立から23年目の現在、同社代表を務める絹川社長の経歴がユニークだ。中央大学理工学部を卒業後埼玉県庁に技術職として奉職し、その間に不動産鑑定士の資格を取得。つくばエクスプレス・八潮駅周辺の権利関係の調整が難しい土地区画整理事業に携わった後、「J-REIT」と呼ばれる不動産投資法人に転身。外資系不動産コンサルティング企業勤務を経て12年に、縁あって同社の株主企業である朝日航洋に入社した変わり種だ。
その後18年に同社に出向し、昨年6月代表に就任した絹川社長は、危機感を持って次のように話す。 「設立以来積み上げてきた顧客基盤は盤石と言える当社ですが、昨今の不動産×ITベンチャー企業群の台頭を見ると、現状に安住は出来ません。新しい発想で新サービスを開発し、既存顧客の深掘りと、不動産投資や賃貸保証など新たな顧客層の開拓を推進したい」
新たなサービス開発の一環として同社は18年に、統計解析を駆使した不動産分析ソリューション「ANALYSTAS(アナリスタ)」をリリースしている。 これは、「賃貸住宅に関する指標が少ない」との声に応えて開発したもので、収益物件の空室率や賃料、募集日数、利回りなど各種指標のマーケット分析が出来るシステム。 顧客所有のデータと同社独自の不動産ビッグデータをハイブリッドした分析が可能で、位置情報を付加することで詳細なエリアマーケティングの要求にも応えられる。また、日常業務に活用して、情報収集やレポート作成に掛かる作業時間も短縮でき、DX推進の一助にもなる。
「益々加速する不動産事業IT化の波で当社の事業環境は刻々と変化します。その変化に対応する新戦力の活躍にも期待しています」 と、絹川社長は新戦力の参加に期待を寄せる。
不動産取引に安心と喜びを提供
【会社データ】 本社=東京都中央区八丁堀3-22-13PMO八丁堀4F ℡03-6222-1023 設立=2000年8月 資本金=1億8000万円 事業内容=インターネットによる不動産評価・地価マップ等の情報提供等 https://www.corporate.tas-japan.com
株式会社タス/絹川善明社長
『注目企業ONLINE』は「サンデー毎日」をはじめ、様々な媒体で当社が独自に取材した注目企業の掲載記事をオンライン版として公開しています。