2023年06月06日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
㈱バンキン
川又 寧 社長
屋根防水工事や外壁修理を生業として2015年3月、46歳の時に独立した株式会社バンキンの川又寧社長。自ら一級建築板金技能士と職業訓練指導員の資格を持つ屋上防水・建築板金工事の専門家だ。
同社が今、住宅の寿命を延ばす防水工事として推奨するのが「塩ビ鋼板防水工法」だ。これは、鋼板の中でも高い強度を誇るガルバリウム鋼板に耐腐食性のポリ塩化ビニルをコーティングしたシートを使うもので、防水技能士の資格を持つ板金職人のみが施工できる工法。今のところこの施工が出来るのは、全国でも同社を含めて4社しか無い。しかも他3社は大手揃いで、どうしてもコスト高になる。勢い、小回りの利く柔軟な対応で、高コストの塩ビ鋼板を充分に使っても低コストで施工を請け負える同社への依頼が増えている。
川又社長はこの工法を導入するに先立って、2年間塩ビ鋼板を野晒しにして、入念にその耐久性を検証した。気温の時間ごとの変化や降雪・降雨の量、日照時間の長短など、真の耐久性を試験するには大手の設備の整った試験場より、北海道の厳しい自然環境下に放置するのが一番と考えたからだ。その好結果を受けて「塩ビ鋼板防水工法」を導入した川又社長は、1年ごとの無料点検の実施と自信の10年保証を付けて、この工法の北海道地域への更なる普及に努めている。 「北海道の厳しい自然環境下で、住宅の寿命を伸ばす大切なポイントは、やはりこまめな点検と修理です」 と、川又社長はあくまでも謙虚に話している。
「塩ビ鋼板防水工法」施工前の様子
こまめな無料点検の実施など、親身になって顧客に寄り添う姿勢を貫く川又社長には、様々な住宅に関するお困り事の相談が寄せられる。中にはアパートの新築工事など、同社単独では手に余る案件もあるが、川又社長の幅広い人的ネットワークで企画・設計・施工の事業者をコーディネートして、見事完成に導いている。自社は総工費の一部、屋根工事に携わるだけで十分なのだ。昨冬には、自ら除雪機を購入して近隣の除雪作業を買って出るなど献身的な取組が評判を呼んで、札幌市北区の社会福祉協議会のHPに同社のHPをリンクさせて欲しいとの依頼が、協議会から寄せられた。いわば、「バンキンに頼めば何とかしてくれる」という存在になっているのだ。
そんな川又社長も現在54歳。10年後の65歳で今の仕事は引退することに決めている。後進に道を譲って自らは、副業の学習塾の運営で生計を立てる積りだ。 「北海道において、屋根防水工事は絶対に無くならない仕事です。しかも、『塩ビ鋼板防水工事』の受注は途切れることがありません。この技術を身に付ければ、将来に渡って安心です」 と、職業訓練指導員の資格も持つ川又社長は技術を惜しみなく伝授する。
「塩ビ鋼板防水工法」施工後の仕上り
【会社データ】 本社=北海道札幌市北区新川775-45 ℡011-790-8783 設立=2015年3月 資本金=200万円 事業内容=戸建・アパート・マンションの屋根・外壁の修理・リフォーム等 http://www.bankin-k.com
㈱バンキン/川又 寧 社長
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