2023年08月22日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
豊和工業㈱
村上 圭 社長
室内には土と木を原料とする心地よいアロマの香りが漂い、シャワールームや更衣室、各階に設置したトイレなど女性専用の設備も充実。積極的なITシステムの導入によって業務効率化を推進し、20代が最も多いという社員たちがイキイキと働ける就労環境を実現しているのは、昨年11月に完成した豊和工業株式会社の新社屋だ。そこには、「3K」とも言われてきた建設業のネガティブなイメージや、若手人材の確保に苦心する中小企業の疲弊感は存在しない。
「建設の仕事に興味がある若者や女性が安心して入社できる環境を整えました。女性社員の存在は、身だしなみや話し方に気をつけるなど男性社員にも良い影響を与えていますよ」 と話すのは、昨年6月に4代目のリーダーに就任した村上圭社長。創業から60年近く培うクライアントからの信頼を守りながら、「社員のモチベーションと会社の色を変えること」を使命ととらえ、思い切った社内改革を進めてきた。
昨年11月に完成した新本社で決意新たに
また、人間力も伸ばす独自の研修プログラムや人材育成部の創設、一人ひとりが主体的に行動する組織作り、就業環境の改善といった改革をさらに前進させる村上社長が、同社の新たなステージと位置付けるのが「建設経営イノベーション企業」。コンサルティングによって改革のノウハウを広く波及させることで建設業界のネガティブなイメージを覆し、魅力的な業界へとレベルアップさせる。
「先人たちが築いてきた礎を大切にしながら、いかに社員が力を発揮しやすい環境を作れるかを考え、プラスアルファになることを体現してきました。まったく新しいことではなく、全ては積み上げてきたことの延長です。不可能なことはありません」(村上社長)
かつて、ダムやトンネル工事で全国屈指の実績を誇った大分県の「村上建設」をルーツに持つ同社。いまや、災害大国・日本の安定した電力供給を支える地中線工事のパイオニアとして、国内最大の電力会社から圧倒的な支持を集める同社の社訓は「建設人和(和を持って一つのものを作り上げる)」である。今も尚、地中線工事業者としてナンバーワンの評価を目指す同社の改革を支えているのだ。
「地中線工事一本で培ってきた技術力と発想力で最適解以上を導き出せることが当社の強み。インフラである電気を通じて豊かな日本を作ってきた〝価値の高い仕事〟にプライドを持ち、人の和によって幸せを提供する100年企業を目指しています」(村上社長)
お互いの現場を見学し合うなど社員たちが活発に交流し、社内の「和」が醸成されている同社。村上社長が「すごく会社の雰囲気が良い」と手応えを語るイノベーションが建設業界の明るい未来を創造する。
昼食やBBQで親睦を深める社員たち
【会社データ】 本社=東京都大田区大森南1―18―8 ☎03―3745―7141 設立=1965年9月 資本金=4000万円 従業員数=44名 売上高=14億7500万円 事業内容=電力線地中埋設工事、附帯する土木・舗装工事 http://www.houwakk.co.jp
豊和工業㈱/村上 圭 社長
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