７つの事業体が「平和で安全な安心できる豊かな社会づくりに貢献」という理念で繋がりながら〝Risk and Intelligence Management〟事業を手掛けるリムコーポレートグループ。中でも、新領域である「社会福祉プラットフォーム」の担い手として期待を集めているのが㈱リムライフだ。　

　グループの起源から75周年にあたる２０２１年４月に設立した同社は、一人ひとりに寄り添う伴走者として「リスクソリューションプロバイダー事業」を展開。ソーシャルＦＰとして、大切な財産の管理・運用を信頼できる家族に託す「家族信託」で、高齢者はもちろん、「親なき後問題」に直面する障がいのある子どもたち、さらには単身、高齢化しているペット飼育者なども対象に、成年後見人制度をはじめとする国の施策だけではカバーしきれない部分をサポートしてくれる。

　もう一つの事業軸「中小企業経営支援」では、サイバーセキュリティ上の脅威や人手不足といった、中小企業が抱える喫緊のリスクや課題を解消。「ＲＰＡ（ロボットによる業務自動化ソリューション）」による人的負担の軽減なども提案し、クライアントの長期的な事業継続を支えている。

　同社をはじめ、グループを統率する石田浩代表が「他社では対応できない領域や高齢化社会のニーズに即したサービスが強み」と話すように、事業領域の軸をぶらさずに専門性を高めてきた各社。08年には中国進出を目指す日系企業向けの経営コンサルティング会社として利睦来（上海）企業管理有限諮詢公司を開設し、事業のグローバル化も実現した。

　一級建築士が10名以上在籍する㈱リムアーク・㈱リムアーク横浜では住宅診断やリフォーム設計、不特定多数の人が利用する「特定建築物」の調査、建築設備・防火設備検査を担っている。中古住宅の流通量が増える昨今、「住まいの点検隊」※として住宅の劣化状況や欠陥の有無を第三者の視点から調査し、中古住宅購入者への安全・安心を提供しているのだ。

※「住まいの点検隊」について
住宅を見るプロともいうべきホームインスペクターが、住宅の劣化状況や欠陥の有無などについて 、第三者の立場で客観的に行う調査です。もし不具合な箇所などが発見された場合は、その改修すべき時期や代替の費用も算定し、適切な対策法をご提供。中古の戸建住宅やマンションはもちろん、新築の戸建住宅やマンション、投資用物件も対象で、新築の案件では内覧会にも立ち会います。

　東京大学や神奈川大学などと産学合同プロジェクトとして17年に立ち上げ、地域交通の事故率低下に取り組む自治体向けに安全運転診断を実施してきた一般社団法人高齢者安全運転診断センターは、今年６月から「一般社団法人高安診センター」に商号を変更。

「車が無ければ生活できない高齢者も多く、若年層でも認知症患者が増えています。長く安全運転を続けるための〝人間ドック〟のように、悪いところを見つけて直すことが目的です」
と話す石田代表。高齢のために運転免許の更新をあきらめて外出が極端に減った父が、１年後に認知症を発症したという自身の実体験も語ってくれた。

　また、同法人では企業ドライバー向けにも運転診断をおこなっており、日常業務における運転状況をドライブレコーダー映像で記録・分析・診断する企業ドライバー向け運転診断「エールドライブ・ビジネス」では、「運転診断シート」を作成して気づきと改善を促している。

「安全・安心なまちづくりへの貢献と運転診断を通した交通事故防止」を掲げてＳＤＧｓにも取り組むグループにおいて中核を担うのが㈱審調社だ。

　１９４６年、「焼け野原から復興する中で必要なものは何か」を考えた創業者の下村正夫氏が、生命保険の契約調査を主業務とする同社を個人で創業。70年には損害保険調査分野へ進出し、総合保険専門情報サービス機関として確固たるポジションを確立した。

　社名に込めた「審(つまび)らかに調べる。」というポリシーを愚直に実行し、保険会社の系列に属さない調査会社として圧倒的な信頼を集めてきた審調社はその後、モータリゼーションの発達を背景に自動車事故が増加したことで、奇しくも生保・損保部門ともに独立系としては業界トップの業績を上げるまでに躍進。81年には石田代表の先代にあたる下村正人氏が社長に就任し、事業の礎を築いた。

「社是や経営理念に基づき、先代の思いを具現化することが自身の使命」と話す石田代表は、96年の保険業法改正に対応すべく、日本初の保険事故サービス・トータル事業を展開する㈱リムラインを設立。いまや当たり前のように保険会社が提供する「夜間休日初期対応」のサービスも業界で初めて導入した。

「保険業の自由化で外資系や異業種企業が参入すれば、必ずサービス競争になる。もっと『お客様目線に立ったサービス』を提供するために夜間休日初期対応を考えました。多くの保険会社がコールセンターを設けていましたが、実際の対応が翌日や週明けでは困りますからね」（石田代表）

　さらに今後は、社員の教育体制の見直しも計画している石田代表。近年は知識や技能が重視され、情報処理が速い＝優秀だと判断されがちだが、大切なことは、もっと〝ヒューマン〟な部分にあるという。

「自分の家族が事故に遭遇したら、事故の状況ではなく、まず『怪我はないか？』と聞くはず。『親』という漢字が充てられているように、お客様が自分の身内だという気持ちを持つことで『親切』『親身』な対応ができるのだと思います」
と石田代表。人生１００年時代を豊かに、安心して暮らせる社会を実現するリスクマネジメントのパートナーとして、一人ひとりの人間的成長を促す。

【会社データ】
グループ本社＝東京都品川区南大井６―３―７
㈱審調社
☎０３―３７６７―１６１１
https://scs-21.co.jp
㈱リムライン
☎０３―５７５３―００８０
https://rimline.com
㈱リムアーク
☎０３―５７６７―６０５１
http://rimarc.co.jp
㈱リムアーク横浜
☎０４５―４７５―２８０８
利睦来（上海）企業管理有限諮詢公司
http://www.rimline.cn/jp
一般社団法人高安診センター
☎０３―６２７５―１４５６
https://kooansin.or.jp
㈱リムライフ
☎０３―４５７７―００４２
https://rimlife.co.jp