2023年12月11日
AERA 「Business Report」掲載
葵交通㈱
田中 秀和 社長
去る11月18・19日のJR山手線運休の際、渋谷・新宿・池袋に重点配車し、公共交通の責任を果したタクシー会社として、テレビ東京「WBS」で紹介された、日産東京販売グループの葵交通株式会社。同社の代表を通算8年間務める田中秀和社長は、昨今話題の「ライドシェア」の是非について、11月2日付NHK「おはよう日本」の取材も受けている。
ライドシェアについてNHK「おはよう日本」の取材を受ける
「一概に否定はしませんが、『ライドシェア』には安全性や万一の事故の際の補償体制、密室の車内での乗客対応など、特に都会地での導入には数多くの懸念材料があります。中には粗暴なお客様も一定数おられます。そんな時、後ろ盾のない個人では対処しきれない場合もあります」 と、田中社長は警鐘を鳴らす。
1951年2月の設立、73年目の社歴を数える同社は9月30日、㈶東京タクシーセンター主催の法人事業者評価で23年連続「特別優良表彰」を受賞。これは、接客・サービス、安全・運行管理、経営姿勢の3側面から評価するもので、百点満点の評価を受けた同社の田中社長は、今年初めて代表受賞の栄誉を授かった。
「特別優良表彰」代表受賞の様子
「働きやすい環境認証」二つ星
「人を大切に」を第一とする同社は、コロナ禍で客足が激減し赤字経営を余儀なくされた2021年・22年の年末には、親会社に諮って160名の全乗務員に年越し手当を特別支給。これにより乗務員達の結束は一層固まり、高いモチベーション維持に結び付いたという。ワークライフバランスの施策も秀逸で、翌月の希望休日を全員に募り、各自に最適な出勤計画を立てるなど、女性でも働き易い職場環境を実現、類い稀な乗務員の定着率の高さに繋がっている。
車内を映すレコーダーも標準装備
冒頭に述べたように不慮の事故やトラブルの際、乗務員にとって頼りになるのは会社を挙げての盤石な危機管理体制だ。敢えて未経験者を採用し、二種免許の取得から2カ月の研修、6カ月の1対1の相談員制度まで、万全の乗務員育成体制を敷く同社は、乗務中に起こった良い例・悪い例の共有も徹底的に行う。
全車両に標準装備される前方のドライブレコーダーと車内を映すレコーダーで収集された事例は、アクシデントの詳細を記録する証拠としてだけでなく、乗務員同士で共有して突発事故に対処する教材としても有効に活用されているのだ。
数々の報道番組の取材を受ける他、「マイ・セカンド・アオハル」「アトムの童」(TBS系)、「日曜の夜ぐらいは」(テレビ朝日系)など、TV番組の撮影協力にも応える同社。正にタクシー業界の優等生とも言える同社は、初心者として乗務員を志す人には格好の職場と言えよう。
使用車両・日産「セレナ」(左)、日産「エルグランド」(右)
葵交通株式会社 本社=東京都杉並区和田1-19-9 ℡03-3382-1533 設立=1951年2月 資本金=5000万円 社員数=162名 事業内容=一般乗用旅客自動車運送業(免許=東陸自旅第344号) https://www.aoi-kotsu.com
葵交通㈱/田中 秀和 社長
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