231208 ㈱ターゲンテックス/中村 幸司 社長

2023年12月08日

注目企業ONLINEオリジナルコンテンツ

国連CTCN助成対象に認定された
無交換式オイル劣化予防装置「PECS MARK-Ⅳ」

㈱ターゲンテックス

中村 幸司 社長

 中古自動車が多く走るタイ王国では、排気ガスによる大気汚染が深刻な問題となっている。先進諸国では地球環境保護のためのEV車の普及が声高に叫ばれているが、実際は全世界的に見ればエンジン車に依存する比重は高く、エンジン車の排気ガス低減化技術の普及こそが、最も急ぐべき温暖化防止対策と言えるのではないだろうか。

 実はその排気ガス対策技術の萌芽は、SDGsの推進が国際課題となる遙か以前の1988年に「液体に含有する磁性粉体の除去とスケールの付着予防及び除去装置」として発表され、西独特許を取得して評価されている。

 その発明者は、日本大学工学部を卒業後トヨタ自動車関連企業で技術職として勤務、その後「エンジンオイルの劣化予防技術を究めたい」と91年3月に独立、株式会社ターゲンテックスを設立した中村幸司社長だ。
 独立以来中村社長は、32年にわたる研究・開発、試作・改良を重ねる中で、現在では、無交換式オイル劣化予防装置「PECS MARK-Ⅳ」として完成。一連の技術は先進8カ国の特許を取得している。

既存のオイルフィルターの代替として後付けできる「PECS MARK-Ⅳ」

「PECS」とは、「Powerup and Economic Clean System」の略で、既存の濾紙式オイルフィルターの代替として装着することで、オイルの寿命を倍増させ、公害排出ガスを低減、さらにはエンジンの寿命をも長持ちさせる次世代フィルター。従来の濾紙製造のための資源・エネルギーを削減出来るほか、延びた車の寿命の最期まで使用出来ることから、環境に優しい技術として世界の注目を集めている。

 その原理は、永久磁石の独自の配列で強力に反発し合う磁力線を構成し、エンジンオイルがそこを通過すると金属摩耗粉を吸着するというもの。PM2.5の原因となるカーボンの析出も抑制し、温室効果ガスを大幅に削減する知る人ぞ知る逸品だ。数次にわたる各種試験でも、排出するCO、HO、Noxの数値を60%以上削減するという結果を弾き出している。

2024年、タイ王国で量産スキームが始動

タイ王国での製造・販売において、国連のCTCN(気候技術の助成事業として認定

 冒頭に述べたタイ王国では2023年、同社の技術を活用したこの装置を量産するプロジェクトが、国連の気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の助成事業として認定された。
 これは、22年4月から同国で行われていた、「PECS」のディーゼル版を中古バスに実装して効果を測定する実証試験の好結果を経て決定したもので、いよいよ24年からプロジェクトが動き出す運びとなったもの。

 そのプロジェクトとは、「PECS」のコア技術である永久磁石を日本で製造し、新設の現地法人がタイの加工工場でフレームその他を製造、同じくタイの組み立て工場で組み立てた後、中古の公共バスやトラック向けに普及を図るというスキーム。
「タイ王国で『PECS』活用事業がCTCN助成事業に認定されたことで、自動車排気ガスによる大気汚染に悩む他の途上国への普及に繋がれば、より大きく地球環境の改善に貢献出来ると期待を寄せています」
 と、中村社長は81歳にして未だ衰えぬ意欲を話している。

[会社データ]
株式会社ターゲンテックス
本社=東京都世田谷区南烏山5-1-13
TEL03-3326-7081
設立=1991年3月
事業内容=無交換式オイル劣化予防装置の開発・販売
http://www.tagen-tecs.co.jp

㈱ターゲンテックス/中村 幸司 社長 
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㈱ターゲンテックス/中村 幸司 社長

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