231221 野村マイクロ・サイエンス㈱/千田 豊作 会長、内田 誠 社長

2023年12月21日

週刊新潮「リーディングカンパニー」掲載

超純水技術を核に、グローバル展開を加速
水が持つ無限の可能性を未来の技術革新へ

野村マイクロ・サイエンス㈱

千田 豊作 会長(左)、内田 誠 社長(右)

 昨今の先進技術を象徴するEVやスマホなどに使われている半導体やフラットパネルディスプレイ。その製造工程において、様々な薬液や付着物の洗浄に必要不可欠なのが超純水の存在だ。超純水とは、不純物が限りなくゼロに近い精製水で、その純度は技術の発展とともに高度化している。 かつては「プールに角砂糖一個程度の不純物」などと例えられた超純水だが、今では「ドーム球場一杯の水に醤油一滴程度の不純物でも 」というほどにまで技術レベルは進化しているという。

 こうした超純水製造において、世界でもトップクラスの技術を提供する野村マイクロ・サイエンス株式会社は、半導体の黎明期から研究・分析を共に進めながら業界を牽引してきた。

超微量分析で水質を管理

千田 豊作 会長

 1969年、米国ゼネラル・エレクトリック社の特殊フィルターを扱う商社として野村グループの出資により設立された同社は、74年に米国アクアメディア社と技術提携を結び、水処理の分野へ参入。80年代にはいち早く韓国市場へ進出し、海外事業の拡大を図った同社。時代を先駆ける形で研鑽を進めながら、その技術力は半導体需要の加速と相俟って高く評価された。

 常に現場の前線で奮闘してきた千田豊作会長は、当時をこのように振り返る。
「当初の事業であったフィルターや濾過機関連が伸び悩む中、顧客のニーズをキャッチアップし続けた結果、形となった水処理事業だった。とにかくこの流れに必死に食らいついていくしかないという心境でした」

 実際は未知の領域への挑戦など相応の責任を伴う的確な経営判断の数々が今につながっていることは想像に難くない。

確実に大きくなる市場へ
「標準化」も視野に

 かつて技術系の社員たちが一歩踏み出し、営業に出向いた経験を共にした千田会長は、何よりも「誠実な対応」を第一にしてきた。

内田 誠 社長

「技術はあくまで人のために高められて来たもので、私たちは技術によって人の役に立つサービスを提供しなくてはならない。そのためには様々な立場の人たちと話をすることが大切で、最も勉強になります」
 と話すのは、内田誠社長だ。こうした姿勢が同社の社風として浸透しており、企業の個性としても大きな強みとなっているだろう。
「自動運転や社会インフラ、さらには生成AIなど、インターネットを超えるようなイノベーションが控える中で、超純水装置に特化した専門メーカーだからこそできる資源を確実に大きくなっていく市場に向け『標準化』も視野に集中投入し、これから自分たちがやれることにしっかり取り組んでまいります」
 と内田社長は語る。

本社屋外観(神奈川県厚木市)

【会社データ】
本社=神奈川県厚木市岡田二丁目9番10号
☎=046–228–3946
設立=1969年4月
資本金= 22億3680万円(東証プライム上場 証券コード:6254)
連結売上高=495億9583万円( 23年3月期)
事業内容=超純水・純水装置のエンジニアリング等
https://www.nomura-nms.co.jp

 

週刊新潮「リーディングカンパニー」野村マイクロ・サイエンス㈱/千田 豊作 会長、内田 誠 社長
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