2024年02月05日
AERA「Business Report」掲載
㈱オーシーエム
押田 和浩 社長
「賃金テーブル」とは、企業経営者が社員の給与を設定するための基準となる一覧表のことで、IT人材派遣企業の場合、参画プロジェクトごとに求められる職能に応じた契約単金と、個々のエンジニアへの還元率等を一覧にした表を意味する。
一般的に人材派遣企業が派遣社員にその一覧表を開示することは稀だが、昨年4月より自社の受注プロジェクト全ての契約単金と還元率を明示した「賃金テーブル」を自社の派遣社員に公開し、目標設定の明確化など大きな効果を上げているのが、1998年2月設立のIT人材派遣企業・株式会社オーシーエムだ。
「会社を作っているのは、最前線で働いている人間である。」との基本的姿勢の下、「エンジニアファースト」の企業運営を貫く同社は、全面ガラス張りの「賃金テーブル」公開の他にも、2022年には、埼玉県の「健康経営認定」・「多様な働き方実践企業・プラチナ認定」や「港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定」を取得するなど、「本気のホワイト企業」を目指す取組を展開している。
愉快な社員たち
自身ITエンジニアの出身で、技術者の思いを深く理解する押田和浩社長は、21年4月の社長就任以来、社員想いのユニークな施策を連発。外部機関による充実した研修制度の導入や関東ITソフトウェア健康保険組合・中小企業退職金共済機構加盟による手厚い福利厚生・退職金制度などは、ほんの一例に過ぎない。
その他、昨今の物価高騰に対応するインフレ手当の支給や「家族大事です休暇」、未消化の有給休暇を持ち越せる「アディショナル休暇」などユーモラスなネーミングの休暇制度の数々。活躍社員を金一封で表彰する「OCMアワード」や、昨年4月に開設したエンジニア主導の「OCM事務局」が企画・運営する月1回の交流会や勉強会の開催など、楽しさ満載の同社。もちろん1年任期の事務局員には相応の手当てが付く。
和気あいあいの交流会にて
同社に所属するエンジニア達の活き活きした活躍ぶりは、月2回発行の社内報「OCM,sISM」や同社HP上の社員同士の「クロストーク」、「社員紹介」欄を見ると如実に伝わってくるが、一方で、交流会などで懇意になった派遣先企業からの紹介によるエンドユーザー直受注の増加という成果にも結び付いている。
「人が好きで、お金云々より人と接しながら生きていくほうが楽しい」 と話す押田社長は続けて述懐する。 「これまでは2次請けの仕事が多かった当社ですが、エンドユーザー直受注が増えている今、エンジニアへの還元率を一層高めるために、対外営業を強化してクライアントとの関係性を深め、直受注の比率を高めていくのが今年のテーマです」
「エンジニアファースト」を支えるフォローアップスタッフの面々(左から3人目が押田社長)
【会社データ】 株式会社オーシーエム 本社=埼玉県さいたま市浦和区高砂1-2-1 エイペックスタワー浦和2001 ℡048-816-9235 東京オフィス=東京都港区新橋5-13-13 川勝ビル3F ℡03-6453-0458 設立=1998年2月 資本金=3000万円 従業員数=70名 事業内容=IT人材派遣・有料職業紹介事業、システム受託開発事業等 https://www.ocm-net.co.jp
AERA「Business Report」㈱オーシーエム/押田 和浩 社長
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