2024年03月05日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
東京石油興業㈱
坂本 貴将 代表取締役
人と車の安全な通行や、街の美しい景観を保つために施される道路舗装。中でも、工事期間の短さや初期コストの安さなどのメリットを発揮し、高い排水性と透水性が期待できる「アスファルト舗装」は、日本の舗装道路の9割以上で使用されている(国土交通省「道路統計年報」)。
日本初の油田開発に成功した「アラビア石油」の子会社として1962年に設立した東京石油興業株式会社は、アスファルト舗装に用いる混合物の製造販売会社として60年以上の実績と信頼を蓄積。現在は富士石油グループに所属し、生活に不可欠な道路インフラの整備に貢献しながら堅実に成長を続けている。
「売上主義で〝どんぶり勘定〟といわれる建設業界の慣習には疑問しかありませんでした。建設業の『工場長』は工場を管理するだけでなく、営業として利益を追求するユーティリティープレイヤーでなければならない。私が工場長や役員を務めていた30代の頃からついてきてくれた社員が部長クラスとして活躍していることは心強いですね」
と語る坂本貴将代表取締役は27年前に技術職で同社に入社し、30歳で工場長に就任。30代半ばで取締役に抜擢されて辣腕を振るう中、緻密な原価計算をはじめとする徹底したコスト意識を社内に浸透させることで、より強固な経営基盤を構築してきたという
コンクリート破砕プラント
アスファルトプラント全景
人と地球の未来を見つめ より良い環境を」をテーマに、地球温暖化(CO²排出抑制)や大気保全、騒音・振動対策などを通じて環境負荷軽減に貢献している同社。千葉県柏市に合材工場や中間処理センターを構え、アスファルト廃材を破砕処理する再生骨材の販売や、がれき類などの建設廃棄物の中間処理事業も展開している。1月29日にはJICA(国際協力機構)の要請を受け、ウクライナの技術者が「がれき処理」の視察で同社を訪れた。
また、この2年間で耐久性が高くメンテナンスの頻度を抑えられるドイツ製の自走式粉砕機を中間処理センターに3台導入。坂本代表取締役は積極的な設備投資で作業効率のさらなる向上を図る一方、近年急速に売上を伸ばしている舗装工事に事業の主軸をシフトすることを構想している。
「右肩下がりの日本経済の中で間接費は高騰するばかり。〝儲からない時代〟が到来していますが、事業の軸を工事主体にシフトすることで、人材が増えればもっと売上が伸びる体制を作ることができると考えています」(坂本代表取締役)
近々本社移転も計画しているという坂本代表取締役は、「常に自分の能力を生かせているのかを考えて欲しい」と社員たちの奮起を促すとともに、ヘッドハンティングなどを介して組織の中核を担う即戦力の人材確保にも力を注ぐ。
【会社データ】 本社=東京都品川区東品川2―5―8 ☎03―5462―7105 設立=1962年8月 資本金=1億2000万円 従業員数=30名 売上高=20億1600万円 事業内容=アスファルト混合物製造販売、建設廃材中間処理、再生骨材製造販売、舗装工事 https://www.tskcoltd.jp
東京石油興業㈱/坂本 貴将 代表取締役
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