240313 日本宗教用具㈱/前田 平八 社長

2024年03月13日

サンデー毎日「会社の流儀」掲載

偲ぶ心を〝かたち〟にするお手伝い――
300年の想いを紡ぐ「お仏壇の日本堂」

日本宗教用具㈱

前田 平八 社長

 江戸時代の創業から令和の今日に至るまで、300年以上にわたって遺族の心に寄り添いながら上質な商品を届け続ける仏壇専門店「お仏壇の日本堂」。近年は新しい製品がほとんど製造されていない高級大型仏壇をはじめ、多彩な商品の在庫を現物で所有するとともに、修理なども委託できる職人との強固な連携によって多様化する顧客ニーズに応えている。

「仏壇の市場が新しい流れに動いている中でも『代々受け継いできた方法で供養したい』『昔ながらの立派な仏壇が欲しい』といったご要望は根強く残っています。私たちは業界の老舗として培ってきた豊富な商品ストックや専門知識、技術のネットワークを生かし、全国のお客様の声にお応えできることが強みです」

 と話すのは、「お仏壇の日本堂」を展開する日本宗教用具株式会社の前田平八社長。現存する記録だけで数えても8代目の代表に就任して以降、自社の役割を明確に表す一言として「偲ぶ心をかたちにするお手伝い」を定めた。

 代々御簾(みす)職人として京都御所に出仕し、大政奉還による明治天皇の東遷に際しても御供なし道中飾付一切を勤めた同社は、江戸入城を契機に東京に拠点を移し、大正末期に浅草で神具の卸・小売を開始。やがて仏具の卸売にも事業領域を広げ、現在は寺社仏閣の様々な様式に精通した仏壇・仏具のエキスパートとして地位を確立している。

屋久杉を使った高級大型仏壇

新たな供養の〝かたち〟
「おうちDEお墓参り®」

 さらに、前田社長は新しい供養の‶かたち〟を具現化するため、手元供養「おうちDEお墓参り®」シリーズを開発。火葬後の遺骨を丁寧にパウダー化する最先端の粉骨技術と特殊な製袋加工技術を融合させ、従来の4分の1程に容積を縮小することで、遺骨を自宅の祭壇の中で保管できる。

「お墓が遠方や雪深い地域にあるために偲ぶ心を直接届けられない方も多い。大切な人をいつも身近に感じながら日常を送れるだけでなく、ご自身が亡くなった時は、保管している最愛のパートナーのご遺骨と一緒に散骨して欲しいと考える仲の良いご夫婦もいらっしゃいますよ」(前田社長)

 また、近年増加している、特定の宗教・信仰をもたないために「無宗教」と一括りにされる顧客の偲ぶ心を「ニーズ」と考える前田社長。その「ニーズ」を一言で表す「ことば(概念)」と、「ことば」を具現化する「かたち(製品)」が存在しないことが、本来「ニーズ」の一番近いところにあるはずの仏壇仏具業界が抱える課題だと考えている。

「『無宗教』といえども仏壇店に来店されているので『無神論者』ではなく、亡くされた大切な人を偲ぶ心を持っています。その千差万別のニーズを汲み取り、「ことば」にして、何代にもわたって偲ぶ心をかたちにしてきたプロ集団である職人たちに伝え、偲ぶ心にさらに寄り添った製品を製作・販売していくことが重要です」(前田社長)

多摩地区最大規模を誇る町田金森本店

 

【会社データ】
本社=東京都町田市金森1―3―3
☎042―729―1111
事業内容=各宗仏壇仏具・神具・神社・寺院用具の総合メーカー
https://www.nihondou.co.jp

 

サンデー毎日「会社の流儀」日本宗教用具㈱/前田 平八 社長
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日本宗教用具㈱/前田 平八 社長

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