2021年06月08日
サンデー毎日「会社の流儀」掲載
シダックス
座本 寿彦 COO
研削材を使って構造物の表面に付着した錆や汚れを除去し、密着度を高めた上で塗り替えを行う「ブラスト塗装」。橋梁をはじめとする大型構造物の塗装工事を手掛ける有限会社シダックスは、ブラスト塗装のエキスパートとして補強・補修のニーズをとらえ、現場での信頼とともに日々成長を続けている。
「ブラスト塗装の業界はベテランの職人たちが60~70歳に達し、その後を担う人材がなかなか続いてきていません。当社の社員は20代、30代が中心ですが、技術力は現場で高く評価されています。若いからこそ、チャレンジャーとして新しい工法に挑戦できたのです」 と座本寿彦COOが話すように、高齢化が進む業界の中では異例といえる「若さ」が同社の強み。その若さを生かして取り組んできたのが、ブラスト塗装の過程で排出される廃棄物の量を大幅に削減し、国土交通省の「NETIS」(新技術情報提供システム)に登録されている「循環式エコクリーンブラスト工法」だ。
一般社団法人日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会の会員会社でもある同社は北海道から沖縄まで全国の現場を駆け回り、カンボジアでODA(政府開発援助)事業に参加するなど海外でも活躍。下地処理を施す「ブラスト」から、防蝕・防錆を目的とした「重防食塗装」までの一貫生産体制を構築し、施工環境の見える化を実現している。
同社の社名「SDKS(シダックス)」は、座本COOの夫人である座本早苗代表取締役と3人の息子の名前から取ったもの。名付け親は座本代表取締役の同級生の父であり、当時の元請け会社の会長である。座本COOが師と仰ぐ会長からの多大な助力が会社設立のきっかけになったという。 この会長との縁から始まった同社には現在、30名以上の将来有望な社員が揃い、今年3月には横須賀から横浜へ本社を移転するまでに進化を遂げた。母親代わりとして社員たちを温かく見守ってきた座本代表取締役は、彼らのさらなる活躍にエールの言葉を送る。
「初心を忘れず、お世話になった方との縁を大切にしながら、人としてしっかりと成長して欲しいですね」 我が子同様に愛情を注ぎ、社員たちを10代の頃から育ててきた座本夫妻。一つに固執せず、常に時代に適した新しい工法を採用してきた座本COOは社員たちが将来独立を果たし、同社を母体とするグループ体制の構築を構想している。
「彼ら一人ひとりが目指す会社を作り、自分で生き残る方法を考えて欲しい。同じグループとして仲良く、力を合わせて前進してくれたら嬉しいですね」 と話す座本COOは自ら代表取締役を務める㈱ZAPlusを設立し、地元の少年野球チーム「横浜緑ボーイズ」を応援。さらに〝家族〟を増やし、彼らの夢の実現を見守り続ける。
【会社データ】 本社=神奈川県横浜市中区住吉町4―45―1 関内トーセイビルⅡ703 ☎=045―264―4837 設立=2005年4月 従業員数=35名 売上高=8億円 事業内容=ブラスト塗装業、その他塗装工事 https://www.seadakks.com
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