2024年06月25日
サンデー毎日「注目の専門学校」掲載
御茶の水美術専門学校
服部 元 校長
文部科学省から全学科が職業実践専門課程に認定されている御茶の水美術専門学校(OCHABI)は、「世界に文化で貢献する」を建学の精神に生物学者・服部廣太郎博士によって1955年に創立。創立者の玄孫にあたり、4代目校長である服部元氏はこう話す。
「私の代になって誰に言われることなく始めたのが、サーキュラーエコノミーへの貢献を目指す方向で、大きな捉え方でデザインを考えていこうと。それは仕上げみたいな意味でのデザインではなく、一次生産のところからデザインしていくことなので、それをやるにはまずマーケティングがわからなければならない」
御茶ノ水駅から徒歩3分の立地
OCHABIでは年に四回、都度学生たちが組むプロジェクトチームによる産学連携授業を実施している。大手企業が出題するテーマは実に多彩だが、すべてが難解かつレベルの高いリアルな題材だ。学生たちは3年間で計12回、こうした実践的な授業を重ねることで、マーケティングとデザイン、アート、そしてサステイナブルが「実学」で自ずと身につける環境がある。
「最初は理屈でしかわかってなかったようなことでも、何度かアジャイル(往来)しながら考えることで、俯瞰的に理解できるようになる。同時に多面的な捉え方ができ、よりレベルの高い正解を導く訓練にもなる」
ディスカッションとプレゼンテーションが当たり前の環境で3年間を過ごすと、卒業する頃には皆、人前でペラペラに話せるようになっているという。学生たちを子ども扱いしない校風も魅力的といえる。
「子どもだと思っちゃうと難しい話をしなくなる。そもそも職業教育するのが専門学校なので、働くなら大人として接していないと。クリエイティブの能力はどこに行っても通用します。基礎をきちんと勉強すれば、どの世界でも働けるということ」(服部校長)
大手企業からの研修や共同企画の引き合いもOCHABIには多い。その教育レベルは、学生に対するものと同等で、社会人の間においても評価は高い。
昨今、世界の大手企業がコンサルやデザイン・ファームを買収していく流れがあるのは、ひとつにインフォ・グラフィックス(情報視覚化)のスキルに対する需要が大きいといわれる。
「インフォ・グラフィックスには、やはりマーケティングがわかってデザインができることが必須。OCHABIの学生はビジネスの無形要素を視覚化し、有形要素に変えられる技能を持っています」(服部校長)
サステイナブルが成立していないとすると、その要因は見えないところで何かが起こっている。見えないものを数値なりデザインなりで全てを視覚化して資料にしていくことができれば、流通も可視化できるようになって、誰もが割を食わないビジネス・モデルを考える題材になる。サスティナブルを考えていくことで大切なのは「ビジョン」であると服部校長は話す。
「OCHABIが日本のサーキュラーエコノミービジネスにおける橋頭堡になるように、日本で、ひいては世界で活躍できるサーキュラエコノミービジネスのクリエイターたちを育てて、貢献していきたいという思いでやっています」
OBであり同校の理事でもあるクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏によるデザインのロゴマーク
御茶の水美術専門学校 https://senmon.ochabi.ac.jp 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-3 0120-084-612(9:30~18:00/日曜・祝日除く)
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