2023年09月28日
週刊文春「学長インタビュー」掲載
関西医科大学
木梨 達雄 学長
今年度より医学部の6年間の学費総額を670万円減と大幅に引き下げ、大きな話題となった関西医科大学。この値下げは多様性に富んだ学生に広く門戸を拡げ、人間性豊かなより多くの医療人の育成を大きな目的としている。
「これからの時代、医療の分野で求められる関西医大『人』の育成にあたって、中・長期的視野に立ち、医学・医療の分野で独自性や特色ある研究を推進しながら、その成果を教育の場に反映させる循環を築きたい。日本をリードする存在として、世界に開かれた医療系複合大学を目指します」 と話すのは、この4月に就任した木梨達雄学長だ。
附属病院と『関医タワー』が隣接する枚方キャンパス
創立95年を迎えた同大学は、4つの附属病院をもつ名門医科大学だ。同学は、医学教育の先を見据え18年に看癢学部、21年にリハビリテーション学部を新設。医学部の単科大学から3学部2大学院研究科を擁する医療系複合大学へと変貌を遂げた。それぞれの学部の連携によって「チーム医療」を学べる環境は、幅広い視野を持てる医療人の育成に深く関与している。
「時代や人、社会が目まぐるしいスピードで変化していく中で、従来と同じ教育体系で良いのだろうか?という視点から、カリキュラムを構成しています。本格的なAIが医療現場で活用される時代、患者さん本人や家族と対話を重ね、ベストの医療を目指す医療人の輩出に取り組んでいます」 と木梨学長は語る。
こうした方針には「慈仁心鏡」すなわち「慈しみ・めぐみ・愛を心の規範とする医人の育成」とする同学の建学の精神が根底を貫く。多様性が謳われる今こそ、その重要性は増していると木梨学長は話す。
昨年4月には附属光免疫医学研究所を開設。「第5のがん治療法」といわれる光免疫療法の本邦初となる研究所だ。光免疫医学研究所が附属病院における光免疫療法の臨床治療をバックアップする役割も有する。症例データの収集も可能となることから、医学界では大きな期待が寄せられている。
関医タワー
こうした様々な研究の影響力が高く評価され、英国の教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』が選ぶ「世界大学ランキング2023」で同学は日本の私立大学としては最上位にランクインした。
枚方キャンパスに昨年3月に竣工した「関医タワー」には患者さん家族のためのホテル、留学生のための寄宿舎、および国際化推進センターを新設。「世界に開かれた大学」として同センターほか関連部門が連携し、医療の高度な国際化を強化していく。 「世界中の優秀な人材と交流を育み教育を行う拠点として、また医療活動や情報収集・発信などを通じて国際貢献に取り組んでまいります」 と木梨学長は語る。
【大学データ】 住所=大阪府枚方市新町2-5-1 ☎=072-804-0101 創立=1928年6月 学生数=1461名 学部=医学部、看護学部、 リハビリテーション学部 https://www.kmu.ac.jp
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