2017年08月03日
週刊文春「学長インタビュー」掲載
いわき明星大学
山崎 洋次 学長
1987年、いわき市からの誘致を受けて開学した「いわき明星大学」。当初から地域に貢献する大学として教育・研究を行うことを使命とし、地域に貢献できる人材の養成を行ってきた。しかし、東日本大震災による原発事故の影響を受け、入学志願者が減り危機的な状況に直面。そこで大胆な大学改革を行い、現在の教養学部、薬学部、看護学部の3学部体制となった。
2007年4月に開設された薬学部は、最初の卒業生が受験した2013年以来、薬剤師国家試験の合格率は5年連続で全国平均を上回っており、2016年3月には合格率98.7%で全国73薬系大学中第1位となった。続いて2017年3月も合格率96.7%で2年連続全国第1位に輝いた。 「薬学部は、何よりも学生を薬剤師にさせるのが目標です。教員たちが一致団結して熱心に指導に当たった結果、高い合格率につながったのだと思います」 そう語るのは、学長の山崎洋次氏。学長のリーダーシップのもと、6年間の学修を継続的に積み重ねていく教育システムを採用した。
1~3年次に能動的な勉学意欲の向上や課題探求・解決力を身に付ける「イグナイト教育」を行うことで基礎を構築。化学に苦手意識を持つ学生のために薬学教育に不可欠な“化学の基礎学力”を補う「クラムスクール」を1年次前期に設け、2年次後期からは国家試験に向けた演習問題の反復学習で徹底した知識の定着を図る「ファーマドリル」を開始。さらに6~8名のグループに分けた学生を1名の教員が担当する「チューター制」により学生一人ひとりの履修指導から個人的な悩み事まで、様々な相談に応じる。 加えて自習室を複数設置、教員の研究室へも気軽に訪問してすぐに質問できる学習環境を整備し、多くの学生からは「先生との距離が近い」と好評を得ている。このようなきめ細かな教育により確実に国家試験合格へ導いている。
2015年4月に開設した教養学部は「地域基盤型職業人」の育成を目標に掲げ、地域社会を支える汎用的な職業能力を培う多様なカリキュラムを用意するとともにキャリア教育にも力を入れて取り組んでいる。
看護学部は震災の発生以降、地域で看護師人材の必要性が高まり、2017年4月に開設。災害看護学や環境放射線学について学べるほか、実習先が豊富にあるのも特長で医療チームの一員として活躍できる質の高い看護師の養成を目指す。
また2019年4月に健康医療科学部(仮称)の設置を構想している。リハビリテーションを担う理学療法士と作業療法士を養成する学部だ。さらに数年後、現キャンパス内に福島労災病院が移転することが予定されており、医療機関と密に連携した“医療系総合大学”へと一気に飛躍する。 全学部共通するのはコミュニケーション力を重視した教養教育だ。資格取得はあくまで通過点とし、確かな人間力を磨いていく。
【大学データ】 住所=福島県いわき市中央台飯野5-5-1 ☎=0120-295110 創立=1987年4月 学生数=998名 学部=教養学部、薬学部、看護学部 http://www.iwakimu.ac.jp
『学長インタビュー』は「週刊文春」「サンデー毎日」などで当社が独自に取材した注目すべき大学の掲載記事をオンライン版として公開しています。
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